トップアイドルは白衣の天使に恋をする-Rebirth-

ステージを降りた瞬間

張り詰めていた糸が切れたみたいだった

「終わった……」

蒼依がその場に座り込む

「足やばいっす……」

優朔が苦笑する

「お前途中から泣きすぎ」

「優朔さんも泣いてたじゃないすか」

「泣いてない」

「泣いてました」

そんなやり取りに

自然と笑いが漏れる

陽貴も大きく息を吐いた

身体は正直限界だった

でも

不思議と疲労感より充実感の方が大きい

奏はまだ放心したように立っていた

まるで夢を見ているみたいに

「奏」

陽貴が声を掛ける

奏がゆっくり振り返る

目は真っ赤だった

でも

その顔には確かな笑顔があった

「……帰ってこれた」

小さく呟く

誰に向けた言葉でもない

でも

その一言に全てが詰まっていた

⸻

スタッフたちの拍手に迎えられながら

四人は控え室へ向かう

長い廊下

何度も歩いた道

でも今日は違った

スタッフたちが口々に声を掛けてくる

「最高でした!」

「おかえりなさい!」

「泣きました!」

「ありがとうございました!」

その度に四人は頭を下げる

何度も

何度も

感謝しかなかった

そして

控え室の扉の前へ辿り着く

陽貴がドアノブへ手を掛ける

その時だった

中から話し声が聞こえた

女性の声

聞き慣れた声

陽貴は少しだけ笑う

そして扉を開いた