局の重いガラス扉を押し開けて外へ出ると、深夜の東京の冷たい空気が、火照った肌を心地よく撫でた
誰もいない静かな駐車場に停められた、いつもの黒いワゴン車へと足を運ぶ
その途中、前を歩いていた黒瀬さんが、不意に振り返った。
「ほら、お前ら。いつまでも感傷に浸ってんじゃねえよ」
ぶっきらぼうで、だけどどこか温かい、いつも通りの厳しい口調
その変わらない態度に、俺たちの顔に自然と笑みが戻る
黒瀬さんは手に持っていたバインダーのスケジュール表を、俺たちの目の前でひらひらと軽く振ってみせた
「明日も朝一番から、新曲のジャケットと雑誌の表紙撮影がみっちり入ってんだからな。一分でも早く帰って寝ろ」
その言葉が耳に届いた瞬間、蒼依の動きがピキリと凍りついた。
「……え?」
その顔には、嫌な予感しかしないという戦慄が浮かんでいる
黒瀬さんは容赦なく、トドメの一言を放った。
「明日の現地の集合、朝の六時だからな」
「……うそでしょ!?」
「本当だ。車、五時半に迎えに行くからな」
「ちょっと待ってくださいよ! 俺たちの人権どこいったんすか!?」
「そんなもん、売れる前のアイドル時代に置いてきただろ」
その冷徹な返しに、優朔が堪えきれずに吹き出す
俺も声を上げて笑ってしまった
本当に、いつぶりだろう
こんな風に、くだらない軽口を叩き合って、中身のないことでお腹を抱えて笑い合えるのは
夜の静寂に包まれた車内へと滑り込み、深くシートへと身体を預ける。
座った途端、せき止められていた疲労が一気に波のように押し寄せてきた
さっきまで大騒ぎしていた蒼依は、シートをリクライニングさせる間もなく、すでに完全に目を閉じている
優朔もヘッドレストに頭を預けたまま、静かに流れる窓の外の夜景を黙って見つめていた
誰もいない静かな駐車場に停められた、いつもの黒いワゴン車へと足を運ぶ
その途中、前を歩いていた黒瀬さんが、不意に振り返った。
「ほら、お前ら。いつまでも感傷に浸ってんじゃねえよ」
ぶっきらぼうで、だけどどこか温かい、いつも通りの厳しい口調
その変わらない態度に、俺たちの顔に自然と笑みが戻る
黒瀬さんは手に持っていたバインダーのスケジュール表を、俺たちの目の前でひらひらと軽く振ってみせた
「明日も朝一番から、新曲のジャケットと雑誌の表紙撮影がみっちり入ってんだからな。一分でも早く帰って寝ろ」
その言葉が耳に届いた瞬間、蒼依の動きがピキリと凍りついた。
「……え?」
その顔には、嫌な予感しかしないという戦慄が浮かんでいる
黒瀬さんは容赦なく、トドメの一言を放った。
「明日の現地の集合、朝の六時だからな」
「……うそでしょ!?」
「本当だ。車、五時半に迎えに行くからな」
「ちょっと待ってくださいよ! 俺たちの人権どこいったんすか!?」
「そんなもん、売れる前のアイドル時代に置いてきただろ」
その冷徹な返しに、優朔が堪えきれずに吹き出す
俺も声を上げて笑ってしまった
本当に、いつぶりだろう
こんな風に、くだらない軽口を叩き合って、中身のないことでお腹を抱えて笑い合えるのは
夜の静寂に包まれた車内へと滑り込み、深くシートへと身体を預ける。
座った途端、せき止められていた疲労が一気に波のように押し寄せてきた
さっきまで大騒ぎしていた蒼依は、シートをリクライニングさせる間もなく、すでに完全に目を閉じている
優朔もヘッドレストに頭を預けたまま、静かに流れる窓の外の夜景を黙って見つめていた


