ラジオ局へ到着するとすぐにスタッフたちが出迎えてくれた
「本日はよろしくお願いします!」
「お待ちしてました!」
明るい声が飛び交う
その歓迎ぶりに少し驚き、思わず顔を見合わせる
「まぁ、黒騎士復活でどこの局も取り合いだからな」
黒瀬さんがしれっとそう言った
そんなことになっていたのか?
正直、俺たちには実感がなかった
まだ世間からどう思われているのか不安もあったから
でも少しずつ信頼を取り戻せているのかもしれない
打ち合わせを終え、収録ブースへ入る
ガラス張りのスタジオ、大きなマイク、ヘッドホン
懐かしい景色だった
「久しぶりっすねぇ」
蒼依が椅子へ座りながら呟く
「ラジオ」
「2か月ぶりだもんね」
優朔が静かに答える
俺も席へ座り、マイクの位置を調整する
ヘッドホンをつけるその感覚すら懐かしかった
向かいには番組MC
長年お世話になっているパーソナリティだった
俺たちを見るなり満面の笑みを浮かべる
「いやぁ」
「本当にお帰りなさい」
その言葉に自然と頭が下がる
「ありがとうございます」
MCは嬉しそうに笑った
「今日はね」
「本当に記念日ですよ」
そして収録開始のランプが点灯する
赤いランプ
スタジオの空気が変わる
スタッフがカウントを出す
――2
――2
――1
本番
軽快なオープニング曲が流れる
MCの明るい声が響いた
「こんばんは!」
「本日のゲストは……」
少し間を置く
「みなさんお待ちかね。
帰ってきました!」
「黒騎士の皆さんです!」
拍手のSEが流れる
スタッフルームからも拍手が聞こえた
蒼依が少し照れたように笑う
優朔も小さく会釈する
俺もマイクへ向かう
「皆さん、お久しぶりです黒騎士です」
「よろしくお願いします」
MCが笑う
「いやぁ、本当に待ってましたよ」
「お帰りなさい」
その言葉に胸が熱くなる
MCは続けた
「言っていいらしいので言いますけど」
楽しそうな声だった
「実は活動再開が決まった瞬間ですね」
「どのテレビ局もラジオ局も大騒ぎだったんです」
スタジオが少し笑いに包まれる
蒼依が目を丸くする
「え、本当ですか?」
「本当です」
MCは即答した
「黒騎士をどこが最初に呼ぶか」
「争奪戦ですよ」
「会議ですよ」
「戦争ですよ」
その言い方に思わず笑ってしまう
「そんなに?」
俺が聞くと、MCは力強く頷いた
「そんなにです」
そして少し真面目な声になった
「だから今日の放送は」
「うちの局が掴んだ」
「黒騎士復活初日のラジオなんです」
その言葉に一瞬胸が詰まった
復活初日。改めてそう言われると実感が湧く
俺たちは戻ってきたんだ
まだ途中だけど、それでも確かに帰ってきた
MCは笑った
「いやぁ、取れてよかった」
「本当に」
スタジオ中が笑う
蒼依も吹き出した
「そんな争奪戦だったんすね」
「そりゃもう」
MCが頷く
「リスナーさんからもずっとメッセージ来てましたから」
そして机の上に積まれた紙を指差した
「今日も過去最高レベルで届いてます」
その量に俺たちは思わず息を呑んだ
積み上がったメッセージ
何百通。いやもっとあるかもしれない
MCは優しく笑った
「みんな待ってたんですよ」
その言葉に誰もすぐには返事ができなかった
2か月。長かった。苦しかった
でもこんなにも待っていてくれた人がいる
その事実だけで胸の奥がいっぱいになった
「本日はよろしくお願いします!」
「お待ちしてました!」
明るい声が飛び交う
その歓迎ぶりに少し驚き、思わず顔を見合わせる
「まぁ、黒騎士復活でどこの局も取り合いだからな」
黒瀬さんがしれっとそう言った
そんなことになっていたのか?
正直、俺たちには実感がなかった
まだ世間からどう思われているのか不安もあったから
でも少しずつ信頼を取り戻せているのかもしれない
打ち合わせを終え、収録ブースへ入る
ガラス張りのスタジオ、大きなマイク、ヘッドホン
懐かしい景色だった
「久しぶりっすねぇ」
蒼依が椅子へ座りながら呟く
「ラジオ」
「2か月ぶりだもんね」
優朔が静かに答える
俺も席へ座り、マイクの位置を調整する
ヘッドホンをつけるその感覚すら懐かしかった
向かいには番組MC
長年お世話になっているパーソナリティだった
俺たちを見るなり満面の笑みを浮かべる
「いやぁ」
「本当にお帰りなさい」
その言葉に自然と頭が下がる
「ありがとうございます」
MCは嬉しそうに笑った
「今日はね」
「本当に記念日ですよ」
そして収録開始のランプが点灯する
赤いランプ
スタジオの空気が変わる
スタッフがカウントを出す
――2
――2
――1
本番
軽快なオープニング曲が流れる
MCの明るい声が響いた
「こんばんは!」
「本日のゲストは……」
少し間を置く
「みなさんお待ちかね。
帰ってきました!」
「黒騎士の皆さんです!」
拍手のSEが流れる
スタッフルームからも拍手が聞こえた
蒼依が少し照れたように笑う
優朔も小さく会釈する
俺もマイクへ向かう
「皆さん、お久しぶりです黒騎士です」
「よろしくお願いします」
MCが笑う
「いやぁ、本当に待ってましたよ」
「お帰りなさい」
その言葉に胸が熱くなる
MCは続けた
「言っていいらしいので言いますけど」
楽しそうな声だった
「実は活動再開が決まった瞬間ですね」
「どのテレビ局もラジオ局も大騒ぎだったんです」
スタジオが少し笑いに包まれる
蒼依が目を丸くする
「え、本当ですか?」
「本当です」
MCは即答した
「黒騎士をどこが最初に呼ぶか」
「争奪戦ですよ」
「会議ですよ」
「戦争ですよ」
その言い方に思わず笑ってしまう
「そんなに?」
俺が聞くと、MCは力強く頷いた
「そんなにです」
そして少し真面目な声になった
「だから今日の放送は」
「うちの局が掴んだ」
「黒騎士復活初日のラジオなんです」
その言葉に一瞬胸が詰まった
復活初日。改めてそう言われると実感が湧く
俺たちは戻ってきたんだ
まだ途中だけど、それでも確かに帰ってきた
MCは笑った
「いやぁ、取れてよかった」
「本当に」
スタジオ中が笑う
蒼依も吹き出した
「そんな争奪戦だったんすね」
「そりゃもう」
MCが頷く
「リスナーさんからもずっとメッセージ来てましたから」
そして机の上に積まれた紙を指差した
「今日も過去最高レベルで届いてます」
その量に俺たちは思わず息を呑んだ
積み上がったメッセージ
何百通。いやもっとあるかもしれない
MCは優しく笑った
「みんな待ってたんですよ」
その言葉に誰もすぐには返事ができなかった
2か月。長かった。苦しかった
でもこんなにも待っていてくれた人がいる
その事実だけで胸の奥がいっぱいになった


