陽貴side
「それでは、これで会見を終了させていただきます」
司会者の声が会場に響く
その瞬間張り詰めていた空気が少しだけ緩んだ
俺は小さく息を吐く
気付けば二時間が経っていた
長かった
本当に長かった
でも第一回の会見の時とは全く違う
あの日は何を話しても疑われた
何を説明しても届かなかった気がした
だけど今日は違う
もちろんこれで全てが解決したわけじゃない
裁判はこれからだ
訴訟も始まる
戦いはまだ終わらない
それでも確かに空気は変わっていた
記者たちの表情
向けられる視線
会場全体の雰囲気
全部が違う
少なくとも俺たちの言葉は届いた
そう思えた
席を立つ
会場のあちこちからフラッシュが光る
それでももう足は震えていなかった
控室へ戻る
扉が閉まった瞬間蒼依が大きく息を吐いた
「終わったぁ……」
そのままソファへ倒れ込む
「俺寿命縮みました」
優朔が珍しく笑った
「毎回言ってるな」
「いや今回は本気っす」
蒼依が顔を覆う
その様子に思わず笑ってしまった
緊張していたのはみんな同じだったらしい
その時社長が腕時計を確認する
もう次の予定が入っているのだろう
弁護士たちも慌ただしく資料をまとめ始めていた
ここから先は法廷での戦いになる
社長は立ち上がる
弁護士チームも続く
「それじゃあ我々は戻るから」
その声に俺たちも立ち上がった
「お疲れ様でした」
頭を下げる
社長は頷いた
そして部屋を出る直前ふと立ち止まった
振り返る
真っ直ぐ俺たちを見る
その目は
どこか穏やかだった
「黒騎士」
呼ばれる
自然と背筋が伸びた
社長は少しだけ笑う
そしてこう言った
「活動再開に向けて準備しておくんだ」
一瞬
言葉の意味を理解するのに時間がかかった
活動再開
その言葉をどれだけ聞きたかっただろう
二か月
いや俺たちにとってはもっと長く感じた
先の見えない時間だった
ステージもない
レコーディングもない
笑顔で集まることもない
ただ耐える日々
その中で初めて聞いた未来の話だった
活動再開
社長は続ける
「まだ裁判はあるし」
「まだ終わってはいない」
俺たちは静かに頷く
社長も頷いた
「それでも」
少しだけ口元を緩める
「君たちはアイドルだ」
その言葉に胸が熱くなる
「ファンは待っている」
「だから前を向きなさい」
静かな声だった
でも
力強かった
「奏が帰って来られる場所を守るんだ」
その一言に誰も言葉を返せなかった
蒼依は唇を噛み
優朔は目を伏せる
俺も胸の奥が熱くなった
そうだ
俺たちはまだ終わっていない
終わらせない
奏が戻って来る場所
黒騎士を
守らなければならない
社長は満足そうに頷くと
「じゃあまた連絡する」
そう言って部屋を出て行った
弁護士チームも続く
扉が閉まる
静かになる控室
しばらく誰も喋らなかった
やがて
蒼依がぽつりと言った
「活動再開……っすか」
その声は少し震えていた
俺は窓の外を見る
二か月前には想像もできなかった未来
だけど
ようやく見えてきた
暗闇の先に
小さな光が
「それでは、これで会見を終了させていただきます」
司会者の声が会場に響く
その瞬間張り詰めていた空気が少しだけ緩んだ
俺は小さく息を吐く
気付けば二時間が経っていた
長かった
本当に長かった
でも第一回の会見の時とは全く違う
あの日は何を話しても疑われた
何を説明しても届かなかった気がした
だけど今日は違う
もちろんこれで全てが解決したわけじゃない
裁判はこれからだ
訴訟も始まる
戦いはまだ終わらない
それでも確かに空気は変わっていた
記者たちの表情
向けられる視線
会場全体の雰囲気
全部が違う
少なくとも俺たちの言葉は届いた
そう思えた
席を立つ
会場のあちこちからフラッシュが光る
それでももう足は震えていなかった
控室へ戻る
扉が閉まった瞬間蒼依が大きく息を吐いた
「終わったぁ……」
そのままソファへ倒れ込む
「俺寿命縮みました」
優朔が珍しく笑った
「毎回言ってるな」
「いや今回は本気っす」
蒼依が顔を覆う
その様子に思わず笑ってしまった
緊張していたのはみんな同じだったらしい
その時社長が腕時計を確認する
もう次の予定が入っているのだろう
弁護士たちも慌ただしく資料をまとめ始めていた
ここから先は法廷での戦いになる
社長は立ち上がる
弁護士チームも続く
「それじゃあ我々は戻るから」
その声に俺たちも立ち上がった
「お疲れ様でした」
頭を下げる
社長は頷いた
そして部屋を出る直前ふと立ち止まった
振り返る
真っ直ぐ俺たちを見る
その目は
どこか穏やかだった
「黒騎士」
呼ばれる
自然と背筋が伸びた
社長は少しだけ笑う
そしてこう言った
「活動再開に向けて準備しておくんだ」
一瞬
言葉の意味を理解するのに時間がかかった
活動再開
その言葉をどれだけ聞きたかっただろう
二か月
いや俺たちにとってはもっと長く感じた
先の見えない時間だった
ステージもない
レコーディングもない
笑顔で集まることもない
ただ耐える日々
その中で初めて聞いた未来の話だった
活動再開
社長は続ける
「まだ裁判はあるし」
「まだ終わってはいない」
俺たちは静かに頷く
社長も頷いた
「それでも」
少しだけ口元を緩める
「君たちはアイドルだ」
その言葉に胸が熱くなる
「ファンは待っている」
「だから前を向きなさい」
静かな声だった
でも
力強かった
「奏が帰って来られる場所を守るんだ」
その一言に誰も言葉を返せなかった
蒼依は唇を噛み
優朔は目を伏せる
俺も胸の奥が熱くなった
そうだ
俺たちはまだ終わっていない
終わらせない
奏が戻って来る場所
黒騎士を
守らなければならない
社長は満足そうに頷くと
「じゃあまた連絡する」
そう言って部屋を出て行った
弁護士チームも続く
扉が閉まる
静かになる控室
しばらく誰も喋らなかった
やがて
蒼依がぽつりと言った
「活動再開……っすか」
その声は少し震えていた
俺は窓の外を見る
二か月前には想像もできなかった未来
だけど
ようやく見えてきた
暗闇の先に
小さな光が


