トップアイドルは白衣の天使に恋をする-Rebirth-

陽貴side

あの一件の泥沼のような動画がネットの海に投下されてから、今日でちょうど一週間

あまりにも目まぐるしく変化する現実に、長くも感じられたし、同時に一瞬で駆け抜けたあっという間の時間のようにも思えた

救いだったのは、どん底にいた奏の体調が、見違えるほど順調に回復へと向かっていることだ

一時はどうなることかと血の気の引いた高熱も完全に下がり、少しずつではあるけれど、食事も喉を通るようになってきた

白を基調とした無機質な病室のライトの下でも、その顔色には確かな赤みが戻りつつある

精神的には、まだガラス細工のように不安定で脆い部分を抱えているけれど、少なくとも最初に意識を失って病院へ担ぎ込まれたあの夜に比べれば、まるで別人と言っていいほど落ち着きを取り戻していた

俺たちは仕事の合間を縫うようにして、毎日欠かさずあいつの見舞いへと足を運んでいる

扉を開けるたび、ほんの少しずつ、一歩ずつ元気になっていく奏の姿をこの目で確かめることだけが、荒みかけた俺たちの心を繋ぎ止める唯一の安心材料だった

けれど、その一方で

一歩外へ出れば、俺たちの所属する事務所は、さながら硝煙の立ち込める戦場と化していた

海外へ急遽飛び立っていた社長が日本へ急ぎ戻ってきてからというもの、事務所の機能はすべて俺たちの問題だけにフル回転している

心強い弁護士チームの編成、世論を睨みながらの広報戦略、駆け回るマネージャー陣。誰もが死に物狂いで、慌ただしく動き回っていた