玄関の鍵を開ける
時刻は午前4時ごろだった
静かな家
さすがにもう寝ていると思っていた
だから
リビングの灯りが漏れているのを見た瞬間、思わず足を止めた
「……え?」
扉を開ける
するとソファに座っていた紗凪が勢いよく立ち上がった
「陽貴くん!」
その顔を見て初めて今日が終わった気がした
「なんで起きてんの」
苦笑しながら聞く
紗凪は少し困ったように笑った
「寝ようとしたんだけど」
「気になって無理だった」
そしてすぐに
「奏くん大丈夫?」
そう聞いてくる
真っ先に奏のことだった
俺はコートを脱ぎながら頷く
「うん」
それだけで紗凪の肩から少し力が抜けたのが分かった
俺はソファへ腰を下ろす
身体が重い
思った以上に疲れていたらしい
紗凪が隣へ座る
近い距離
でも何も言わない
急かさない
ただ待ってくれている
俺はぽつりぽつりと今日のことを話した
社長が来たこと
病院のこと
検査結果のこと
奏がようやく眠れたこと
全部
話しているうちに自分でも気付いていなかった疲れがどんどん出てくる
紗凪は途中で一度も口を挟まなかった
ただ静かに聞いていた
全部話し終えた頃
紗凪が小さく息を吐く
「よかった……」
本当に
心の底から安心したみたいな声だった
「奏くん、ちゃんと眠れてるんだね」
「うん」
「それ聞いて安心した」
その言葉を聞いて
俺は初めて肩の力を抜いた
ここ数日
ずっと気を張っていた
リーダーだから
しっかりしなきゃいけない
そう思っていた
でも今は何も考えたくなかった
紗凪がふと俺の顔を覗き込む
「陽貴くん」
「ん?」
「顔色悪いよ」
思わず笑う
「紗凪が癒してよ」
「えー?」
少しだけ頬を膨らませる
その反応が可笑しくて
久しぶりに自然に笑えた
すると紗凪がそっと俺の髪を撫でた
子供をあやすみたいに
優しく
ゆっくり
「今日はもう頑張らなくていいよ」
その言葉に胸の奥がじんわり熱くなる
頑張らなくていい
たったそれだけなのに救われた気がした
俺は背もたれに身体を預ける
瞼が重い
限界だったのかもしれない
紗凪が小さく笑う
「お風呂は?」
「……無理」
「じゃあ今日はそのまま寝ようか」
「うん」
情けない返事だった
でも紗凪は笑わなかった
「寝室行こ」
そう言って手を差し出す
俺はその手を取った
温かかった
そのまま二人で寝室へ向かう
ベッドへ入ると
張り詰めていた神経が一気に切れたみたいに眠気が襲ってきた
隣では紗凪が布団を整えている
その小さな物音を聞きながら思う
今日は本当に長かった
でも
最後にこの景色が見られてよかった
それだけを考えながら
俺の意識は静かに眠りへ沈んでいった
時刻は午前4時ごろだった
静かな家
さすがにもう寝ていると思っていた
だから
リビングの灯りが漏れているのを見た瞬間、思わず足を止めた
「……え?」
扉を開ける
するとソファに座っていた紗凪が勢いよく立ち上がった
「陽貴くん!」
その顔を見て初めて今日が終わった気がした
「なんで起きてんの」
苦笑しながら聞く
紗凪は少し困ったように笑った
「寝ようとしたんだけど」
「気になって無理だった」
そしてすぐに
「奏くん大丈夫?」
そう聞いてくる
真っ先に奏のことだった
俺はコートを脱ぎながら頷く
「うん」
それだけで紗凪の肩から少し力が抜けたのが分かった
俺はソファへ腰を下ろす
身体が重い
思った以上に疲れていたらしい
紗凪が隣へ座る
近い距離
でも何も言わない
急かさない
ただ待ってくれている
俺はぽつりぽつりと今日のことを話した
社長が来たこと
病院のこと
検査結果のこと
奏がようやく眠れたこと
全部
話しているうちに自分でも気付いていなかった疲れがどんどん出てくる
紗凪は途中で一度も口を挟まなかった
ただ静かに聞いていた
全部話し終えた頃
紗凪が小さく息を吐く
「よかった……」
本当に
心の底から安心したみたいな声だった
「奏くん、ちゃんと眠れてるんだね」
「うん」
「それ聞いて安心した」
その言葉を聞いて
俺は初めて肩の力を抜いた
ここ数日
ずっと気を張っていた
リーダーだから
しっかりしなきゃいけない
そう思っていた
でも今は何も考えたくなかった
紗凪がふと俺の顔を覗き込む
「陽貴くん」
「ん?」
「顔色悪いよ」
思わず笑う
「紗凪が癒してよ」
「えー?」
少しだけ頬を膨らませる
その反応が可笑しくて
久しぶりに自然に笑えた
すると紗凪がそっと俺の髪を撫でた
子供をあやすみたいに
優しく
ゆっくり
「今日はもう頑張らなくていいよ」
その言葉に胸の奥がじんわり熱くなる
頑張らなくていい
たったそれだけなのに救われた気がした
俺は背もたれに身体を預ける
瞼が重い
限界だったのかもしれない
紗凪が小さく笑う
「お風呂は?」
「……無理」
「じゃあ今日はそのまま寝ようか」
「うん」
情けない返事だった
でも紗凪は笑わなかった
「寝室行こ」
そう言って手を差し出す
俺はその手を取った
温かかった
そのまま二人で寝室へ向かう
ベッドへ入ると
張り詰めていた神経が一気に切れたみたいに眠気が襲ってきた
隣では紗凪が布団を整えている
その小さな物音を聞きながら思う
今日は本当に長かった
でも
最後にこの景色が見られてよかった
それだけを考えながら
俺の意識は静かに眠りへ沈んでいった


