桜花転生奇譚

そう呟くと、ひかりちゃんは「……はは」と苦笑した。

「……ま、でも……やりたい事ないし、無職だし、祓魔師になってもいいかな」

私がそう言うと、ひかりちゃんは「えっ、無職?」と反応する。

「そうそう。昨日の出勤を最後に退職したんだよ。貯金があるとはいえ、早く次の仕事見つけたいなって思ってたところ」

よし、決めた。あとで、前の職場での愚痴をひかりちゃんに聞いてもらおう。

「なるほどねぇ……ん~、祓魔師かぁ……まずは、隊長と相談かなぁ……今から時間ある?あるなら、相談に行こうかなって思ってるけど」

ひかりちゃんの言葉に、私は「大丈夫だよ」と頷いた。

「……と、その前に……」

私の返事を聞いたひかりちゃんは、着物の懐から1枚の細長い紙を取り出した。

「先に、連絡だけしておかないと。怒られるのだけは、嫌だからね。おいで」

ひかりちゃんが声をかけると、ひかりちゃんの手の中にあった紙がポンッという音とともに鳥の姿へと変わる。

「隊長に、今から一般人を連れて相談に行くと伝えて」

ひかりちゃんが鳥に向かってそう言うと、鳥はどこかへと飛んでいった。

「……ひかりちゃん、さっきのは?」

「ん?あぁ、式神だよ。この世界には、携帯というものは無いからね。祓魔師の唯一の連絡手段さ。とりあえず、隊長のいる祓魔師隊の拠点に行こうか」