桜花転生奇譚




あの日から、数か月が経った。今日で、私が祓魔師隊に入隊してからちょうど1年になる。

あの後も、私とひかりちゃんは数々の原作を壊した。結衣さんとの交流は続いていて、結衣さんの母親はすっかり元気になったそうだ。

今日は、久しぶりに私とひかりちゃんは非番で重なって、私とひかりちゃんは朝から桜様の神域に来ていた。

ずっと書いていた長編小説がようやく完成したから、ひかりちゃんに読んでもらうんだ。

ひかりちゃんと私は、桜様のお許しを得て、桜の木にもたれるように座っている。そして、ひかりちゃんは私の書いた小説に真剣な表情で目を通していた。

私はひかりちゃんの邪魔をしないように、静かに読書をする。読み始めた本が終盤に差し掛かる頃、ひかりちゃんは「読み終えたよ」と声をかけてきた。

私は本に栞を挟むと、文庫本サイズの本を着物の懐に入れる。

「面白かったよ。懐かしい気持ちになったな」

そう感想を述べたひかりちゃんは、私に小説の書かれた紙を差し出した。私は、お礼を言ってからそれを受け取るとくるくると紙を丸めると紐を結ぶ。

「……小説かぁ……ぼくも、書いてみようかな……」

ふと、ひかりちゃんがそう呟いた。私は「いいじゃん!」とひかりちゃんに言う。