桜花転生奇譚

「あっ、あなたは祓魔師の……」

薬屋に入って店の中を見渡していると、聞き覚えのある声が聞こえてきて、私は声がした方を見た。

「結衣さん、こんばんは」

そこにいたのは、結衣さん。

「ひかりちゃん、この方がさっき話した魔石を探してる方」

ひかりちゃんにそう言えば、ひかりちゃんは「初めまして。祓魔師の九条ひかりです」と自己紹介をする。

「あっ、私……祓魔師の末良優月です!」

私とひかりちゃんが自己紹介をすると、結衣さんは「私は、赤松結衣と言います」とひかりちゃんに自己紹介をした。

「……おや、店内が騒がしいと思うたらお客さんが増えておるな」

店の奥から顔を出したのは、長髪の白髪を1つに結んだ男性。

「薬師寺さん、お久しぶりです」

ひかりちゃんが、男性に向かって挨拶をする。この方が、薬師寺高文さんらしい。

「九条か。久しいな」

「……薬師寺さん、結衣さんの母親の病気を治す薬を作るのに必要な魔石って、どれですか?」

ひかりちゃんは、懐から巾着を取り出すと薬師寺さんに近づいて、薬師寺さんの近くにある机の上に、巾着に入っている全部の魔石を置いた。

「……ふむ」

薬師寺さんは、魔石を手に取ると1つ1つ吟味するように見つめる。