たん、とん、ととんたん、たん、とん、たん……。
――私の周りには、いつも音が満ちている。
人の話し声や車のエンジン音、空気の流れ。
そんな日常に溢れる音のみならず、物心ついたときからずっと、私だけに聞こえる音があった。
正確には私が思いついたものらしいけれど、本当のところはよくわからない。もしかしたら他の人はみんなこの音たちを無視しているだけかもしれないし、私にだけ聞こえる特殊な周波数があるのかもしれない。
こんなことをぼーっと考えるくらいに音は私にとって当たり前に降ってくるものだ。思いつき、あっという間に紡がれ音楽となっていく。私が意図して行っていることじゃない。
それは今だってそう。
ホームルームで担任の先生の大して中身のない話を聞き流し窓の外を眺めていると、ぽこぽこと音が降ってきた。アニメや漫画では普通、廊下の反対側の窓の外には海や山のような田舎を感じさせる景色や都会感を表す高層ビル、気になる人が運動しているところを盗み見れる校庭などが広がっているものだが、この高校の場合見えるのは教員らの駐車場のみ。なんて殺風景な。それでも音を紡ぐ上では充分だったらしい。車の色から着想を得てどんどん音が生まれていく。
あぁ、早く家に帰りたい。早く帰って掬いあげないと、この音たちは簡単に忘れ去られてしまう。ヒトは無意識下で行ったことを記憶に留めておけないから。
「心星帰ろ~!」
「かーえろー」
――私の周りには、いつも音が満ちている。
人の話し声や車のエンジン音、空気の流れ。
そんな日常に溢れる音のみならず、物心ついたときからずっと、私だけに聞こえる音があった。
正確には私が思いついたものらしいけれど、本当のところはよくわからない。もしかしたら他の人はみんなこの音たちを無視しているだけかもしれないし、私にだけ聞こえる特殊な周波数があるのかもしれない。
こんなことをぼーっと考えるくらいに音は私にとって当たり前に降ってくるものだ。思いつき、あっという間に紡がれ音楽となっていく。私が意図して行っていることじゃない。
それは今だってそう。
ホームルームで担任の先生の大して中身のない話を聞き流し窓の外を眺めていると、ぽこぽこと音が降ってきた。アニメや漫画では普通、廊下の反対側の窓の外には海や山のような田舎を感じさせる景色や都会感を表す高層ビル、気になる人が運動しているところを盗み見れる校庭などが広がっているものだが、この高校の場合見えるのは教員らの駐車場のみ。なんて殺風景な。それでも音を紡ぐ上では充分だったらしい。車の色から着想を得てどんどん音が生まれていく。
あぁ、早く家に帰りたい。早く帰って掬いあげないと、この音たちは簡単に忘れ去られてしまう。ヒトは無意識下で行ったことを記憶に留めておけないから。
「心星帰ろ~!」
「かーえろー」



