星屑の唄【期間限定公開】

 こうして万全の準備を整えて迎えた今日。

 新たな一歩として、路上ライブを決行した。


 わかりやすく立ち止まる人はいない。興味本位でちらほらと視線を送ってくるくらいだ。それでいい。興味を引けているだけでも上々。

 こんなふうに人前に出ることは初めてで、今にも心臓が飛び出しそうだった。足りない酸素を補うように大きく息を吸い、再びマイクに向かって声を張り上げる。


「もしかしたら知っている人もいるかもしれませんが、以前ステラという名前で活動していました!」


 このことを公表するか、すごく悩んだ。

 過去のことを蒸し返され、批判されるかもしれないから。

 でも私とずっと音を紡いでくれたのは他ならぬステラだから。一緒に連れて行きたいと思った。

 あのあとスピカがどうなったのかは知らない。興味ない。もしかしたら梨々花と美波は知っているのかもしれないが、口にすることはなかった。それでいい。

 今の私には、愚図に構ってる暇なんてない。

 勝手に生きて勝手に死ね。

 私はもう、そこにはいないから。


「これからは夜野心星として活動していくので、よろしくお願いします!」


 頭を下げても以前のように髪が首を撫でることはなかった。耳元と同じくらいの長さに切ったからだ。これも心機一転するために行ったこと。代わりに首元で小さな星型のネックレスが太陽に反射する。