その日から夜野は、時々俺の前でメロディを口ずさむようになった。
彼女の口から紡がれる音たちはいつもきらきらと瞬いている。
最近はそれだけではなく、普段の夜野の周りにもきらきらを見るようになった。こういうの、なんて言うんだろうか。
数歩前を歩く夜野がちらりと振り返るから、目が合った。その場に縫いとめられた気がした。
「夜野の声ってさ、綺麗だよね」
丸い瞳に吸い取られるようにそんな言葉が口をついてでていた。
あ、やばいと片手で口を覆ったが、すでに遅い。もう一方の手で夜野に待ったをかける。
「ごめん今のセクハラみたいだった。できたらなかったことにしてほしい、いや、してください」
「え、いやしないけど」
俺の頼みをばっさりと切り捨てた夜野はなんで最後敬語?とくすっと笑った。
「声褒められるの新鮮だからびっくりしただけ。ありがとう」
夜野は本当に驚いたようにそう言った。
もしかしたら夜野は、自身の声を降ってくる音たちを正確に再現するための楽器の一部としか思っていないのかもしれない。
だとしたらかなりもったいないと思う。
その反面、自覚がないからこそのびのびと音を紡げているのかもしれないとも思った。
彼女の口から紡がれる音たちはいつもきらきらと瞬いている。
最近はそれだけではなく、普段の夜野の周りにもきらきらを見るようになった。こういうの、なんて言うんだろうか。
数歩前を歩く夜野がちらりと振り返るから、目が合った。その場に縫いとめられた気がした。
「夜野の声ってさ、綺麗だよね」
丸い瞳に吸い取られるようにそんな言葉が口をついてでていた。
あ、やばいと片手で口を覆ったが、すでに遅い。もう一方の手で夜野に待ったをかける。
「ごめん今のセクハラみたいだった。できたらなかったことにしてほしい、いや、してください」
「え、いやしないけど」
俺の頼みをばっさりと切り捨てた夜野はなんで最後敬語?とくすっと笑った。
「声褒められるの新鮮だからびっくりしただけ。ありがとう」
夜野は本当に驚いたようにそう言った。
もしかしたら夜野は、自身の声を降ってくる音たちを正確に再現するための楽器の一部としか思っていないのかもしれない。
だとしたらかなりもったいないと思う。
その反面、自覚がないからこそのびのびと音を紡げているのかもしれないとも思った。



