星屑の唄【期間限定公開】


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 夜野の言葉を真に理解したのは、彼女が屋上で歌ったときだった。


 上から弾丸のように降り注ぐ音たちが彼女の身を削る。削られた部分が散る。ひかる。それがまるで星屑のようだった。

 目に見えるはずもない音に俺まで刺されているような感覚がした。全身がビリビリする。


 ――「音を紡ぐということは息をするということ」


 息は吸うだけでは生きていけない。

 それと同じように、音も心の内で紡ぐばかりでは生きていけないのだ。

 夜野を構成する軸は、彼女を壊す原因にもなりえる。

 音に愛され呪われたひと。

 そんな称号がぴったりだった。


 夜野は歌っているとき、視線は俺に向いていた。にもかかわらず、目が合っていない感じがした。彼女はどこか遠くを見ながら歌っていた。俺よりも、はるか遠く。

 ひときわ強く輝く白い星にはなにが見えているのか。

 それこそ俺が理解できない問いだと思ったから、あえて訊かなかった。

 代わりに気になったタイトルを尋ねると、夜野は俺につけてと愉快そうに笑った。ステラの曲にタイトルをつけるなんて恐れ多くて、先ほどとは違う意味で身震いした。それでも彼女がそれを望むから、ステラにふさわしいタイトルをつけようと思った。