スピカとかいう半端者のSNSの監視は俺が担当することになった。
夜野が奴の投稿を見るたびに心をすり減らしていくようで気が気じゃなかったから。
かくいう俺も、奴の投稿――正確にはSNSのアイコンを見るたびに殺したくなった。
瞳に星を宿しているのはステラだ。お前じゃない。
それを初めて見たときの怒りを何度もなぞっている。
複数のアカウントを使ってステラを貶めるポストを報告しても俺も行動なんて無意味だとでも言うようにXは全然対応しないし、それどころかステラの今までをも否定するようなポストが数を増していく。まるで透明人間になったみたいだ。ステラを侮辱するなという俺の声なんて誰にも聞いてくれない。無力だ。それでも彼女は俺を頼りにしてくれている。だから俺が彼女の防波堤になろう。こんな風に無力感に押し潰されようになるのは、俺だけでいい。俺だけで――。
「月城」
「えっ」
水面に浮かんだ泡のように意識が浮上し、弾かれたように声の方を見ると、夜野が不思議そうに俺を見つめていた。
あぁそうだ。今はファミレスで夜野と作戦会議をしているところだった。最近あまり眠れていないせいかついぼーっとしてしまった。ごめんと謝り、改めて目の前の彼女に向き合う。
夜野は現実に戻った俺から目を離し、スマートフォンをいじる傍ら、出来たてで運ばれてきたフライドポテトをつまんでいた。その様子をまじまじを見つめる。何の変哲もない動作だというのに、余計なフィルターがかかっているせいか、映画のワンシーンのようだ。



