星屑の唄【期間限定公開】

 スピカとかいう最近とある曲がバズったらしい奴の既存曲と、ステラの『汽水域の恋』のBメロが似ていることからステラが盗作したのではないかといありえない理由で。

 比較動画を聴いてみたが、この程度の一致は偶然で片づけられるレベルだった。にもかかわらず、ステラが集中砲火に遭っていた。スピカとかいう自称繊細さんみたいな奴がステラと犯罪者扱いし、さらにそのファン層がごみの掃きだめみたいに最悪だったから。

 ただの一般人を教祖として崇めている様が気持ち悪いし頭が悪いし、スピカがステラを犯罪者扱いしたら思考停止した状態で平気で低俗な言葉を使って人を罵倒する。教祖が教祖なら信者も信者だ。揃いも揃ってお風呂に入ってなさそう。


 ネットの声に踊らされるなんてバカみたいだ。

 でも、ステラはそこで息をしているから。

 空気を奪われてしまえば、歌えなくなってしまう。――ステラが、しんでしまう。


 衝動的にかけた電話の向こう側で夜野は憔悴しきっていた。

 無理もない。夜野にとってステラは自身を構成する軸だから。

 どうか壊れないでと願いながら、彼女の声にひとつひとつ応えた。その時間は胸が張り裂けそうなほど苦しくて、同時に、ここまで彼女を傷つけた連中が憎くて憎くてたまらなかった。

 だから提案した。「あいつの素顔、特定しない?」と。

 俺は彼女に少しでも楽に息をしてほしかった。


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