だとしたら、他になにか問題でも生じたのか?
強烈なスランプに陥ったとか。喉に違和感があって思うように歌えなくなったとか。そう考えただけで不安になっていてもたってもいられなくなった。
☽
委員会終わり。他に誰もいない下駄箱で、俺は夜野を呼び止めた。
彼女の後ろから差し込む太陽のひかりが彼女の顔にほんの少しの影を落としているのに、その瞳に宿る白い星は相も変わらずまばゆかった。
だが、ステラのことに触れた途端、彼女は見たこともないくらいいとも簡単に揺らいだ。それこそまるで、この世の終わりみたいに。
そんな彼女の反応を見て、自身の過ちに気づいた。
夜野の芯の強さは、ステラでできていたんだ。
その繊細な部分に、俺は無遠慮に触れてしまった。
なんとか落ち着いてもらいたくて伸ばした手を一度引っ込めて、それでも伸ばして、壊れてしまわないようにそっと肩を叩いた。
夜野ははっとしたように顔を上げて、ようやくその瞳に俺を映した。いつもより近くで見たそれは、他の不純物が混じることを赦さないほど澄んでいて、息を呑むほど綺麗だった。
場所を移して話しても結局なんで低浮上だったのかわからなかったけれど、俺が初期からのファンであることやいつも曲に惹き込まれていることを伝えると、夜に咲く花がそっと開くように顔が綻んだ。
この様子ならもう大丈夫だと安心した矢先――ステラが炎上した。
強烈なスランプに陥ったとか。喉に違和感があって思うように歌えなくなったとか。そう考えただけで不安になっていてもたってもいられなくなった。
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委員会終わり。他に誰もいない下駄箱で、俺は夜野を呼び止めた。
彼女の後ろから差し込む太陽のひかりが彼女の顔にほんの少しの影を落としているのに、その瞳に宿る白い星は相も変わらずまばゆかった。
だが、ステラのことに触れた途端、彼女は見たこともないくらいいとも簡単に揺らいだ。それこそまるで、この世の終わりみたいに。
そんな彼女の反応を見て、自身の過ちに気づいた。
夜野の芯の強さは、ステラでできていたんだ。
その繊細な部分に、俺は無遠慮に触れてしまった。
なんとか落ち着いてもらいたくて伸ばした手を一度引っ込めて、それでも伸ばして、壊れてしまわないようにそっと肩を叩いた。
夜野ははっとしたように顔を上げて、ようやくその瞳に俺を映した。いつもより近くで見たそれは、他の不純物が混じることを赦さないほど澄んでいて、息を呑むほど綺麗だった。
場所を移して話しても結局なんで低浮上だったのかわからなかったけれど、俺が初期からのファンであることやいつも曲に惹き込まれていることを伝えると、夜に咲く花がそっと開くように顔が綻んだ。
この様子ならもう大丈夫だと安心した矢先――ステラが炎上した。



