星屑の唄【期間限定公開】

 流れてくる音はどれも洗練されていて、星の軌道を追うような、不思議な感覚がした。

 歌声は冬の夜のように透き通った静けさを纏っていて。でも、その中心には決して揺れない芯もあって、聴いていてとても心地よかった。


 それにすっかり魅力された俺は彼女のSNSアカウントをすぐさまフォローした。まだ活動を始めてからそれほど経っていないらしく、フォロワーは少なかった。今から追えば十分最古参の部類に入れるだろう、という打算もあったが、それ以上に自分だけの特別を見つけたような高揚感に包まれていたのをよく覚えている。


 ステラの曲はそれぞれ物語みたいなものが組み込まれていて、1曲聴くたびに短編小説を読んだかのような気分になる。それが彼女がもっている箱庭を覗かせてもらっているようで、新曲が出るたびに魅了されていった。

 そんなステラは曲以外に興味はないのか、Xに投稿する文も動画も簡素なので、無駄なものがない片付いた部屋で丁寧な暮らしを送っている20代くらいと勝手に想像していた。


 そのステラの正体が夜野心星かもしれない。


 予想を外したショックだとかなんだ同級生かという落胆なんてものはなく、ただただ信じがたかった。

 もし本当にそうなら、俺が心を揺すぶられたあの曲は、彼女が中学1年生のときに作ったものということになる。


 ――あのクオリティの曲を、中1で……?


 ゾクッとして全身が粟立った。