なんの用かとじっと彼を見上げると、彼は少したじろぎながら口を開いた。
そのとき、前髪の隙間からちらっと見えた猫目が目に留まったが、ほんの一瞬だけだった。
「今日委員会あるけど」
「えっ」
ぱちっと泡が弾けるように、私の意識は月城が発した言葉へと向けられた。
委員会? そんなの聞いてない。というか覚えてない。
私の反応を見て察したのか、訝しむように月城が訊いてくる。
「もしかしてなにか予定入れた?」
「いや、予定といえば予定だけど違うといえば違うというか」
果たして家に帰って音を吐き出すことを予定と言っていいのだろうか。
予定に正確な定義がないから曖昧な返事しかできない。
するとはっきりしない私を見かねた月城が口を挟んだ。
「今日クラスに配布するプリント渡されて簡単な説明されるだけらしいよ」
「よく知ってるね」
「隣のクラスのやつから聞いた」
「へぇ」
そんな人脈があったのか、と感心する。
月城はいわゆる二軍。誰とでもそつなく話せる、陽キャとも陰キャとも言い難い位置にいる存在だ。



