乙女に夢を見せさせて!

聞き慣れた声でビクッとする。

だって直哉はいくつかの高校のコーチに声がかかるくらいサッカーで有名。この学校でもサッカー部に入ってくれと何度も勧誘されてるし、本人も入部するって言ってたのに。

だからこの部には絶対いない。

そう思ってたのに‥。

「えっ?直哉くんが作ったの?とっても美味しい」

由麻の目がマフィンを食べてた時よりもキラッキラ。(こんなキラキラな目を現実で見たのは初めて)
由麻が一緒に話そうよといった目配せを見なかったことにする。だって、だるそうだもん。
そして目的の先輩に話しかける。

「先輩!家庭科部の見学をしに来ました。家庭科部に入部悩んでるのでどんな活動をしているのか教えてください」

デニム生地のエプロンをつけたウルフカットの綺麗な先輩が、

「いいよ!私が部長で、文化部だけどまぁまぁ活動があって毎週月、水、金がお菓子作りの日。他の日が基本的に自由かな。」

「お菓子作りが週に3回は神ですね」

学校のテスト期間で憂鬱になってもお菓子があればなんも苦じゃないなと妄想してた。

「あと、強制じゃなくて希望者参加型で文化祭で作品販売と2、3ヶ月に一回イベントに出店かな。あっ!ちょっと待ってて」

ガサガサ先輩達が話し合いながら物をとりにいってしまった。
直哉と由麻はまだ2人の世界だからそっとしておく。

「あった!」