乙女に夢を見せさせて!

「どれくらい進んだー?綾乃!」

直哉だ。

(1人は寂しいななんて思ってたから嬉しいけど、でも、先輩がいるのに。でもペアだから仕方がないのかな。)

よくわからない感情に飲み込まれそうだった。
いつも通りに戻れ自分!

「今お菓子作り終わったとこ。もうちょい早かったらフィナンシェ食べれたのに。遅かったね」

「あー。まぁ俺はそんなにフィナンシェ好きじゃないからいいや。綾乃が食べればいいだろあれは」

「フィナンシェが美味しく感じないなんて人生損してるね。あんなに美味しいのに。」

「まぁいいんだよ。わからなくったってさ。それより今日の分終わらせよ。」

「いいお知らせなんだけど。多分、今日の分終わったら明日は試着会!その雰囲気に合わせて明後日以降変更かな。」

「おお!結構終盤になってきたな。あと5日前だからこんなもんか。」

雑談はほどほどで今日も作業をする。
だけど17時くらいにお腹減っちゃった。
いつもは常備してるクッキーを食べる。
でも、今日は頼くんからもらったフィナンシェを頬張る。

「フィナンシェをわざわざ余らしてたん?」

「ううん。今日頼くんがくれたの。」

「ふーん。美味しい?」
なんかさっきより声低い?
黙って作業してたからかな?

「うん!とっても」

「よかったな」

いつもは前髪気にしてるの知ってるから髪はなるべく触んないのに、頭をわしゃわしゃしてきた。

「やめてよ。髪型崩れる」
「ふーん」

そう言って謝りもせずどっか行った。
全く最近見直したのにこれかよ!