乙女に夢を見せさせて!

いきなり黙ってどっかに行く。
あっ。
ミシンを使い始めた。

カタカタ

ミシンの単調な音。
直哉はほっといて、スカートの裾部分もほっとく。
一旦デコレーションタイム!
今作れるものを手縫いで作って置く。

「できた」

直哉ができたフリル部分を持ってきた。
いつミシンを止めてたんだろう?
気づかなかった。

「どんな感じなの?見せて」

「はい」

トルソーに飾ってある私達が着る予定の服の下地に合わせる。理想通りだ。

「めっちゃ理想通り!ありがとう」
「どれどれ。田中くんと綾乃の調子は」
「夏先輩、お疲れ様です!」
「お疲れ様です。坂田先輩」
「デザイン画見せて。ふーん。よくそのフリルを選んだな。田中くん、いいアシスタントだよ!」

「うっす」

「綾乃。デザイン画はあやふやになった時、すぐにわかるように書くんだよ。修正入れたほうがいい。これ田中くんじゃ無いと気づかないよ、このフリルとかは」

「今、わからなくなっていたのですぐ直します!」
「あとは喧嘩しても、仲良くやるんだよ。じゃあ30分後に鍵締めにくるから、それまで頑張れ」

そう言って夏先輩は去ってしまった。
受験勉強で忙しくなり始めたのにありがたい。