乙女に夢を見せさせて!

せっかく頼くんと仲良くなれたと思ったのに。
なんであやつの相手をしなきゃなんだよー!

「鍵返してきたんですー!誰かさんが押し付けたせいで!」
「そうだったな。ありがと、さすが優しい綾乃」
「そーゆーこと言えば済むと思わないで!」

ギャイギャイやってて気付いた頃には頼くんがいなくなってた。
せっかくの仲良くなれる機会がまた直哉に壊された。

「あっ!メレンゲクッキー作るんだった!時間がもったいない、さっさと部室行ってんね」
「俺も行くし」
「用事は?いいの?」

(わざわざ部室を出てきてのことだから何か用があったんじゃないの?まぁ聞いて面倒ごと押し付けられたくないからいっか)

謎だと思いながら直哉と歩く。
別に無言の空気が気まずいとか一切ない相手だから特に話さない。
なんなら話さない時の方が仲良く見える。


ようやく部室に着いた。
今日は部室までが長かったな。誰かさんのせいで。

ガラガラ

「あやや、おっそーい!迷子になってた?」

由麻が明るく聞く。癒しが染み渡る。