好きになった人は、みんなのアイドルで 4

ーー悠太郎サイド

「ほんとにこんなんでいいの?せっかく神戸来たのに」

「せっかく神戸に来たから、じゃん」

紬が笑う。
俺の今まで暮らしてきた街が見たいって言うから小学校に向かって歩いていた。

「……この道歩くの久しぶりなんだけど」

「ここ、ランドセル背負ったちび悠太郎くんが歩いてたんだねっ」

こんなんで楽しいの?って思ってたけど、紬が楽しそうだからいっか。

「……悠太郎くんのこと、全部知りたいなあ」

小学校を見ながら、少し寂しそうに呟く紬が愛おしかった。

「えっとね、俺意外と勉強できたんだよ」
「4年生の運動会の時ね、リレーに選ばれたんだけどコケて泣いて」
「あ、音楽発表会でソロパートもらった」

思い出せるだけ小学校のエピソードを話してたら、ぎゅっと手を握られた。

「もし、その頃出会ってたら、どうなってたと思う?」
小学校を眺めたまま紬が聞く。

「……いつ出会ってても、俺は紬のこと好きになったと思うよ」