好きになった人は、みんなのアイドルで 4

「つむぎさん、先にお風呂どうぞ」

「え、私最後で大丈夫です」
「皆さんいつもどおり入ってください」

「そんなこと言わないで、お客様だから」

悠太郎くんのお母さんに促されて、お風呂をいただく。

ーー
良い香りの入浴剤。癒される。

悠太郎くんのご家族、すごく、素敵な家族。
私のことも、優しく受け入れてくれた。

こんなおうちで育ったら、そりゃあ悠太郎くんみたいな人になるよね。

朝倉家まるごと、なんだか愛おしかった。

ーー
……ドライヤー無い。どこだろう。

髪の毛をタオルで拭きながらリビングへ戻る。
「お風呂いただきました、ありがとうございます」
「ねえ、悠太郎くん……」
ドライヤーどこ?って聞こうと思ったら

「紬、おいで」
悠太郎くんがドライヤーを構えてた。

「なにそれ、私にはしてくれたことないじゃん」
結衣さんがぼやく。

「誰が姉ちゃんの髪乾かすか!」
こんな悠太郎くん、見るの初めて。
思わず笑ってしまう。

悠太郎くんの前に座ると、ドライヤーをかけてくれる。
お泊まりすると、いつも私の髪を乾かしてくれる。
「長いから大変だよ」、って言っても、
「いいの、俺がやりたいから」って。

「あのねー、もっとこうやるの」
結衣さんは美容師だから指導が入る。

「姉ちゃん、うるさい」
そう言いながらも素直に真似してる悠太郎くん。

「今度、結衣さんに髪切ってもらいたいです」
お仕事してる結衣さんも見てみたい。

「じゃあ次、神戸に来るとき教えて。予約空けとく」
「あ、そうだ、明日ヘアセットしてあげるよ」

「え!いいんですか!嬉しいです!」

明日は一日神戸観光。
結衣さんのヘアセットも加わって、もっと楽しみになった。