好きになった人は、みんなのアイドルで 4

「あの、何かお手伝いします」
夕飯の支度をする悠太郎くんのお母さんに声を掛ける。

「大丈夫。結衣と、悠太郎の小さい頃のアルバムでも見てて」

「分かりました、ありがとうございます」

「つむぎちゃん、早くおいで〜」
結衣さんが呼ぶ。

「見て見て、これ幼稚園の運動会で負けて悔しくて泣く悠太郎」
「こっちがお遊戯会の悠太郎でしょ」
結衣さんが1枚1枚説明してくれる。

「まじで恥ずかしいから、全部説明しなくていいよ」
悠太郎くんの顔が少し赤い。可愛い。

「ちび悠太郎くん、可愛すぎます」
「この頃からイケメンだったんですね」

私の知らない悠太郎くん。
……悠太郎くんのこと、全部知りたい。

「こっちは小学校」
「あ、この時の運動会も負けてめっちゃ泣いてた」
「めっちゃ泣いてるのにお弁当の唐揚げめっちゃ食べてさ」

「負けず嫌いで、食いしん坊なの変わってないね」
悠太郎くんを見て笑ったら

「……もう泣かないし」
って悠太郎くんが拗ねてる。

可愛くて抱き締めたかったけど、我慢。

代わりに膝をポンポンとして、
「そんなとこも好きだよ」って言ったら

結衣さんが
「こんな弟のことこんなに好きでいてくれるの、ほんと嬉しい」
って笑ってくれた。