アイドルな天使と悪魔の事件かいけつ日記☆

「天使の天羽(あもう)ゆう、悪魔の亜久津(あくつ)るい、神様がお呼びです。こちらへ」

 いつものように雲の上の世界でるいと喧嘩をしていると、神の使いが僕たちの前に現れた。  

「るいと僕? なんで神様に呼ばれた?」
「はい、神様はおふたりに大切なことを伝えると申し上げておりました」
「大切なこと? なんだろう。僕の天使階級が上がるとかかな……るいはどう思う?」
「……知らん」

 僕はニヤッとしながら神の使いの後について行く。良いことが起こりそうな予感しかしなくて足取りは自然と軽くなる。だけど、予想とは違った……。

 高い椅子に座っている神様の目の前に立つ。笑顔ひとつなく無表情。神様の雰囲気に少しだけ緊張感が押し寄せ、握った手に力が入る。

 そして運命を変える言葉が神様から放たれた。

「ふたりで人間界へ行き、人々の悩みを解決してきなさい!」と。

「……ふたりで!? 嫌だ」

 目を見開き驚いた。それから僕は目を細めて、るいを見る。
 るいも同じような表情で僕を見てきた。

「はぁ……嫌なのはこっちも同じだ……」

 るいの深いため息のせいでさらに不快な気持ちになる。

「神様、何故るいとふたりで人々の悩みを解決しなければならないのですか?」
「天使と悪魔が争う時代は終わった。これからは仲良く協力し合いながら生きていく時代だ。なのに、もう……ふたりが喧嘩ばかりするからだ! 先日喧嘩が原因で我の石像を壊しただろう?」
「あ、あれは……」

 あの時もるいと喧嘩をしていた。風を起こし、るいを見えないぐらい遠くに飛ばそうとした。だけどその時にるいは僕が放った風を避けた。強い風は運悪く神様の石像に直撃し、倒してしまったのだった。ヒビも入ってしまい。るいに口止めをして、急いでその場から離れた。

 絶対に僕が犯人だってバレていないと思っていたのに、バレていたのか?

「石像壊した反省も含め、人間世界へ行ってこい。そして人々の悩みを解決してきなさい。解決するまで帰ってきてはならんぞ。あ、あとは毎日日記を書くこと!」
「えっ? 日記?」

 日記とか書いたことないな。まぁでも、天の力を使って筆に命を宿し、筆に全部書かせればよいか――。

「ちなみに人間世界では、天の力は何ひとつ使えないからな」

 うわっ。心の奥を見透かされている!
 というか力を使えないのか!

「では、検討を祈る!」

 神様は指をぱちんと鳴らした。目の前が真っ白になる。そして僕たちは一瞬で人間世界へ――。