「天使の天羽(あもう)ゆう、悪魔の亜久津(あくつ)るい、神様がお呼びです。こちらへ」
ここは雲の上の世界。十四歳で僕と同じ歳である悪魔のるいと、いつものように喧嘩をしていた時、神の使いが僕たちの前に現れた。
「るいと僕? なんで神様に呼ばれた?」
「はい、神様はおふたりに大切なことを伝えると申し上げておりました」
「大切なこと? なんだろう。僕の天使階級が上がるとかかな……るいはどう思う?」
「……知らん」
僕はるいの冷たい態度なんて気にせずに神の使いの後について行く。良いことが起こりそうな予感しかしなくて、ルンルンと足取りは自然と軽くなっていた。だけど、予想とは違った……。
背がとても高い椅子に座っている神様の前にふたりは立つ。笑顔ひとつなく無表情な神様。その雰囲気に少しだけ緊張感が押し寄せ、握った拳に力が入る。
そして運命を変える言葉が神様から放たれた。
「ふたりで人間界へ行き、人々の事件を解決してきなさい!」と。
「……ふたりで!? 嫌だ」
目を見開き驚いた。それから僕は目を細めて、るいを見る。
るいも同じような表情で僕を見てきた。
「はぁ……嫌なのはこっちも同じだ……」
るいの言葉と深いため息のせいで、さらに不快な気持ちになる。
「神様、何故るいとふたりで人々の悩みを解決しなければならないのですか?」
「天使と悪魔が争う時代は終わった。これからは仲良く協力し合いながら生きていく時代だ。なのに、もう……ふたりが喧嘩ばかりするからだ! 先日喧嘩が原因で我の石像を壊しただろう?」
「あ、あれは……」
あの時もるいと喧嘩をしていた。風を起こし、るいを見えないぐらい遠くに飛ばそうとした。だけどその時にるいは僕が放った風を避けた。強い風は運悪く神様の石像に直撃し、倒してしまったのだった。ヒビも入ってしまい。るいに口止めをして、急いでその場から離れた。
絶対に僕が犯人だってバレていないと思っていたのに、バレていたのか?
「石像を壊した反省も含め、ふたりの絆を深めるために人間世界へ行ってこい。そして人々の事件を何か解決してきなさい。事件を解決するまで帰ってきてはならんぞ。あ、あとは毎日日記を書くこと!」
「えっ? 日記?」
日記とか書いたことないな。まぁ、適当に書けば良いか。いや、天の力を使って筆に命を宿し、筆に全部自由に書かせればよいか――。
「日記は正直に書くのだぞ。ちなみに人間世界では、天の力は何ひとつ使えないからな」
うわっ。心の中、全部見透かされている!
というか力を使えないのか! ちょっと色々面倒くさそうだなぁ。
「では、検討を祈る!」
神様は指をぱちんと鳴らした。目の前が真っ白になり、意識がなくなっていく。
そうして僕たちは人間世界へ旅立つことになった――。
*
ここは雲の上の世界。十四歳で僕と同じ歳である悪魔のるいと、いつものように喧嘩をしていた時、神の使いが僕たちの前に現れた。
「るいと僕? なんで神様に呼ばれた?」
「はい、神様はおふたりに大切なことを伝えると申し上げておりました」
「大切なこと? なんだろう。僕の天使階級が上がるとかかな……るいはどう思う?」
「……知らん」
僕はるいの冷たい態度なんて気にせずに神の使いの後について行く。良いことが起こりそうな予感しかしなくて、ルンルンと足取りは自然と軽くなっていた。だけど、予想とは違った……。
背がとても高い椅子に座っている神様の前にふたりは立つ。笑顔ひとつなく無表情な神様。その雰囲気に少しだけ緊張感が押し寄せ、握った拳に力が入る。
そして運命を変える言葉が神様から放たれた。
「ふたりで人間界へ行き、人々の事件を解決してきなさい!」と。
「……ふたりで!? 嫌だ」
目を見開き驚いた。それから僕は目を細めて、るいを見る。
るいも同じような表情で僕を見てきた。
「はぁ……嫌なのはこっちも同じだ……」
るいの言葉と深いため息のせいで、さらに不快な気持ちになる。
「神様、何故るいとふたりで人々の悩みを解決しなければならないのですか?」
「天使と悪魔が争う時代は終わった。これからは仲良く協力し合いながら生きていく時代だ。なのに、もう……ふたりが喧嘩ばかりするからだ! 先日喧嘩が原因で我の石像を壊しただろう?」
「あ、あれは……」
あの時もるいと喧嘩をしていた。風を起こし、るいを見えないぐらい遠くに飛ばそうとした。だけどその時にるいは僕が放った風を避けた。強い風は運悪く神様の石像に直撃し、倒してしまったのだった。ヒビも入ってしまい。るいに口止めをして、急いでその場から離れた。
絶対に僕が犯人だってバレていないと思っていたのに、バレていたのか?
「石像を壊した反省も含め、ふたりの絆を深めるために人間世界へ行ってこい。そして人々の事件を何か解決してきなさい。事件を解決するまで帰ってきてはならんぞ。あ、あとは毎日日記を書くこと!」
「えっ? 日記?」
日記とか書いたことないな。まぁ、適当に書けば良いか。いや、天の力を使って筆に命を宿し、筆に全部自由に書かせればよいか――。
「日記は正直に書くのだぞ。ちなみに人間世界では、天の力は何ひとつ使えないからな」
うわっ。心の中、全部見透かされている!
というか力を使えないのか! ちょっと色々面倒くさそうだなぁ。
「では、検討を祈る!」
神様は指をぱちんと鳴らした。目の前が真っ白になり、意識がなくなっていく。
そうして僕たちは人間世界へ旅立つことになった――。
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