趣味で作っていた曲が完成して、通して歌い終わった瞬間。
――パチ、パチパチパチ
と部屋の扉から拍手する音がして驚いて顔を上げた。
そこには、オレンジ色の夕日に照らされた吉村朝菜ちゃんが、まるで映画のワンシーンみたいに綺麗に涙を流して立っていたんだ。
『……吉、村さん、なんで』
と固まる私に、彼女は勢いよく近づいてきて、私の両手を取って握り出した。
『なにこの曲、誰の曲!?最高!!しかも立花さんってギター弾けて歌もあんなに上手に歌えるの!?ヤバいって!どうしよう、私ずっと心臓バクバクしてる!ほんとすごかった!』
初めてだった。
好きなことをしてそこまで褒められたのは。
誰にも見られなくてもいい、自分が楽しければいい、自分には合わない世界から目を逸らすための現実逃避。
音楽の中に閉じこもって隠れていれば大丈夫だって。
そう思ってきたのに……。
『あっ、ごめん!!盗み聞きするつもりはなかったの!何となく、その、ひとりになりたいと思ってフラフラ歩いていたら歌声が聴こえた気がして……つい』
その言葉にハッとして、部屋にある窓に目を向けた。
そこが開けっ放しだったことに気付いて、慌てて立ち上がって窓を閉めた。
部屋に入って空気の入れ替えをしたらすぐに閉めていたのに!
『お願いっ!誰にも言わないで!』
私みたいな冴えないコミュ症人間が、ひとりで歌って曲まで作っているなんて知られたら絶対バカにされてしまうから。
私は、すがるように吉村朝菜ちゃんの袖を掴んだ。
意外にも、その時の朝ちゃんは『うん。わかった。誰にも言わない。だからもう少しここで立花さんの歌、聞いてもいいかな?』
なんて、ものすごく優しい目を声でそう言ってくれた。
実際、彼女は私の秘密を誰にも漏らしたりしなかった。
そしてその日から、放課後毎日、吉村朝菜ちゃんはこの放送室にやって来た。
――パチ、パチパチパチ
と部屋の扉から拍手する音がして驚いて顔を上げた。
そこには、オレンジ色の夕日に照らされた吉村朝菜ちゃんが、まるで映画のワンシーンみたいに綺麗に涙を流して立っていたんだ。
『……吉、村さん、なんで』
と固まる私に、彼女は勢いよく近づいてきて、私の両手を取って握り出した。
『なにこの曲、誰の曲!?最高!!しかも立花さんってギター弾けて歌もあんなに上手に歌えるの!?ヤバいって!どうしよう、私ずっと心臓バクバクしてる!ほんとすごかった!』
初めてだった。
好きなことをしてそこまで褒められたのは。
誰にも見られなくてもいい、自分が楽しければいい、自分には合わない世界から目を逸らすための現実逃避。
音楽の中に閉じこもって隠れていれば大丈夫だって。
そう思ってきたのに……。
『あっ、ごめん!!盗み聞きするつもりはなかったの!何となく、その、ひとりになりたいと思ってフラフラ歩いていたら歌声が聴こえた気がして……つい』
その言葉にハッとして、部屋にある窓に目を向けた。
そこが開けっ放しだったことに気付いて、慌てて立ち上がって窓を閉めた。
部屋に入って空気の入れ替えをしたらすぐに閉めていたのに!
『お願いっ!誰にも言わないで!』
私みたいな冴えないコミュ症人間が、ひとりで歌って曲まで作っているなんて知られたら絶対バカにされてしまうから。
私は、すがるように吉村朝菜ちゃんの袖を掴んだ。
意外にも、その時の朝ちゃんは『うん。わかった。誰にも言わない。だからもう少しここで立花さんの歌、聞いてもいいかな?』
なんて、ものすごく優しい目を声でそう言ってくれた。
実際、彼女は私の秘密を誰にも漏らしたりしなかった。
そしてその日から、放課後毎日、吉村朝菜ちゃんはこの放送室にやって来た。



