トワイライト〜ふたりで奏でる最高の歌〜

その日も私は、この放送室でひとりギターを弾いていた。

『中学では友達できた?』

『今日は誰と話したの?』

『夜海、学校、楽しい?』

中学に上がると、ママが私の顔色を伺うようにそう聞いてくることが増えた。

悪気がないことは分かっている。

ママはただ、私のことを心配してくれているだけ。

小学生の頃から、引っ込み思案でクラスで馴染めなかった私は、学校をよく休みがちになっていた。

そのことがあるから、またあの頃みたいになって欲しくないって思っていたんだと思う。

中学に上がって2ヶ月が経っても、放課後、真っ直ぐ家に帰る日々を送っていた私に、ママは言った。

『たまには、友達と放課後遊んだりしてもいいのよ。休日だって』

それがきっかけで、私は、できるだけ遅い時間まで学校に残るようになった。

お昼休みに校舎をブラブラ歩いていたら見つけた場所。

好きなだけ弾き語りが出来て、ママには友達と楽しく過ごしているんだと思ってもらえる。

そんな考えから始まった私の秘密の時間。

ママに架空の友達と寄り道した話をするのは胸が痛かったけど、変な心配をかけるよりずっと良かった。

そんな生活にも慣れてきたある日のことだった。