神にそう問われて考えた時、ふと、孤児院の院長の言葉を思い出した。
『悲しくて、辛くて、苦しいことがあっても、人っていうのはどんな運命が降りかかったとしても自分の力で乗り越えていける強さを持っているんだ』
孤児院に連れてこられた当初、心を塞いでいた私に、院長はそう言ってくれた。
院長のその言葉を思い出せば、不思議と私は前を向いて歩いていけたのだ。
「転生も、与えられた運命だと思って割り切ることにするって決めたの。それだけだよ」
「……そっか」
答えた私に、神はなんだか清々しい様子で笑っていた。
「次のキミの人生は、楽しいことがたくさんだといいね」
付け足して神は「死ぬ原因を作ったボクが言うのもなんだけど」と眉をハの字にしていた。
それでも、その言葉は私にとって嬉しいものであった。
「本当にそうだと、良いな……」
その瞬間、意識が朦朧とし始める。
きっと転生が始まってしまったんだろう。
だんだんと眠気が強まっていって、私はそれに抗うことなく、瞳を閉じた。
「来世のキミに、多くの幸せが訪れるようにボクは祈っているよ」
最後に聞こえたのは、囁くような神の言葉。
消えゆく意識の中で、私は静かに、口元を緩めた。
神に祈られたら、もう私無敵じゃない?



