さっきまで私に土下座をしていた神は、得意気な顔で宙をぷかぷか浮いていた。
あーはいはい。私の死は三十分足らずで流されましたよ。
とはいっても、すべての不幸が神のせいってわけじゃないと私は思うけど。
「キミは優しいね」
「だから心読まないでよ!」
「だってキミ黙ってばかりなんだもん」
「開き直りやがったよこの神」
「だって神だもん」
神はそう言って笑いながら私のほうに近寄って来た。
神だからなのか、イケメンだからなのか、彼のオーラには神々しいものがある。やっぱり神様だからか。
「ボク、キミの事気に入ったよ」
「えっ、急に。ありがとう?」
「だからね、もう一度地球に生まれ変わってもいいようにする」
神が言うには一度その世界で死んだ魂は、本来ならもうその世界に戻ることはできないらしい。
だけど今回は特別に神の権限を使って地球に戻れるようにしてくれるのだとか。
……それなら私はやっぱり、もう一度地球に生まれたい。
むしろいきなり魔法の世界とかに生まれ変わってもどうすれば良いのか分からないし。
「私は、私が育った場所で生まれ変わりたい」
しっかり自分の意思を告げると、神は嬉しそうに微笑んでくれた。
ということで私は特別待遇で、もう一度地球に生まれ変わることになりましたとさ。
そして私は神から生まれ変わる際の説明を受けることになり、順調に説明を聞き進めていくうちに、一つだけ気になる箇所があった。
「どんな家庭の、どの母体に君の命が宿るかはボクにも分からないんだ。人間の誕生先に神が口を挟むことはできないから」
「なるほど……って、え?」
思わず目を瞬いた。
どの母体、命が宿る、人間の誕生。
その言い方をするってことは、つまり私は。
「赤ちゃんからやり直すってこと!?」



