なぜか私はごてごてに施されたメイクに満足していて、不自然な厚化粧も冗談抜きで良いと思っていた。
周りの人とか私の顔を見るとドン引きだったのに。
記憶が蘇る前に黒歴史が出来上がったということだ。
「はー……さすがにへこむ」
ドレッサーの椅子に座った私は、思わず大きなため息を吐いた。
うつむくと長過ぎる髪の毛がだらりと前に流れてくる。
………私の髪の毛、なっが。
ツインテールのように髪を分け、持ち上げた私は鏡でその姿を確認した。
試しにヘアブラシで髪を梳かしてみる。
しかしどこまで梳かしても毛先まで到達した感覚がない。
それもそのはず、なんせ私の髪は腰下まで伸びているのだから。
妹の愛梨もロングヘアだったけど、私の長さはそれ以上にある。
確か長ければ長いほど派手に巻けるし、美人の条件には必須! とか思っていたような? 平安時代か。
「あ、また枝毛。長いといっぱい出てきちゃうよね」
ぱっと見て艶やかに見えるけれど、毛先は傷むものだから仕方がない。
しかし前の人生の私……前世っていうのかな。前世の私はこんなに長くしたことがないので扱いに困ってしまう。
「鬱陶しいなぁ……」
無意識に私は、つぶやいていた。



