けれど、私が神に赤ちゃんからやり直すのを拒んだためにこんな面倒な状況になってしまったんだ。
どうやら生まれ変わった私も、両親という存在は皆無だったらしいけど。
……何が言いたいのかっていうと、つまり。
昨日までの私も、前の人生の記憶が戻った私が受け入れるしかないってこと。
開き直っても胃がきりきり痛むのは仕方がない……。
「さて、と」
とりあえず私は、ベッドから起きて思いっきり背伸びをする。
ふと窓を見ると、和室にも関わらず無理やり窓の障子の上にカーテンレールが取りつけられていて……ええと確かこれは私が和室は嫌で無理矢理にでも洋室風にしようとしたからだっけ。
あ、私って昨日までの私ってことで……なんだこれ、ややこし過ぎるちきしょー。
「それにしても目がチカチカするなぁ……」
カーテンを開けた私は、わずかに明るくなった室内を見回して目頭を摘まむ。
派手な小物やパッション系の色合いに溢れた家具に目が眩んでしまったからだ。
「まさに、ギャルって感じの部屋」
これはこれで見応えのあるお部屋ではあるんだけど。
テーブルに置かれた多くの種類の香水は、良い香りを通り越して激臭になっている。
他人の部屋ならなんとも思わないんだけど、前世の魂が蘇った私にとって、この部屋の品々はかなり好みから外れていた。
――昨日の、というか日付が変わっていたので今日の夜中だけど。
前世の私の意思が蘇った時の、鏡に映った自分を見た衝撃は忘れない。
どうしてあんなにべっタンべっタンのギットギトに厚化粧で顔を塗り固めていたんだろう。
速攻洗面所に行ってメイク落としを使って、肌が赤くなるくらい擦ったからね。
しかもカラコン?カラーコンタクトとか前世の私はしたことがなかったから取り外すのにすっごく時間がかかった。
それにあんなに大きなカラコンを入れていたせいで、白目の比率が少なくなって宇宙人の目みたいになっていた。
どうして私は、あれを可愛いと思っていたんだろう。
いや、これも個人の好みだけどさ。個人っていっても私は私なんだけど。



