余所者-よそもの-


駐車場に降り、車に乗り込むと。
向かった先は病院だった。

受付はユキがやり、私は問診表に記入をしていった。

外科だけを扱う町の小さな病院。
問診表を出してから時間を置かずに名前を呼ばれ、診察室に入る。


医者は私の額の傷を見るなり「縫合が必要だ」と手早く準備を進めていく。

ええ、怖い……なんてドキドキしながら処置の準備を待っていると、診察室の外から声が漏れてくる。

「まあまあ、瑞生さん」

高齢女性の声は、看護師さんだろうか。

「昨日瑞生さんのお友達のね?誰だっけ、ほら髪の派手な子。その子が連れてきた男の子を預かったんだけどねぇ?」

小さな病院だから声は筒抜けだ。
髪の派手な子は潤のことだろうか。

「今日お昼くらいだったかしらね、退院するって言って出て行っちゃったのよ」

親しげに話かけるあたり、この病院はユキの行きつけなのかな。
内科ならまだしも、外科の行きつけって……。

でも、そのあときゃあきゃあと黄色い声で世間話をしだした女性に、単純にユキが顔を覚えられているだけかもとも思う。