君と歌姫はじめました!

歌うのは好き。

言葉を書くのも好き。

でもそれを外に出して、誰にも届かなかったら。

『好き』ごと否定される気がしてしまう。

零は少しだけ目を細めた。

それから、ふっと柔らかく笑う。

「じゃあ、その時は二人で笑おうか」

「……へ?」

「『全然見られないね』って」

あまりにも軽く言うから、有栖はきょとんとした。

「別に最初から上手くいかなくてもいいよ」

零は穏やかな声で続ける。

「有栖の歌、僕は好きだから」

その言葉に、有栖はきょとんと目を丸くした。

「……なにそれ」

少し間があって。

ぷっ、と。

堪えきれなくなったみたいに吹き出した。

「ふふっ……あはははっ!」

ベッドの上で腹を抱えるみたいに笑い出す。

「『全然見られないね』って何それぇ……!」

「事実かもしれないし」

「やだよそんな現実的なの!」

「でも有栖、ちょっと安心した顔してる」

「……っ」

図星だった。

有栖は笑いながら目を逸らす。