私は慌ててひまりの手を押し戻す。
「なんで今ここで出すのーー!?」
「え、ダメだった?周りに誰もいなかったからさ」
「ダメに決まってるでしょ!?」
「ごめーん!じゃ、またねー!」
悪気がなさそうに隣のクラスに消えていくひまり。
ここ学校の廊下だよ!?
誰に見られてるか、わかんないのに!
頭を抱えていると、
「……何やってんの」
玲央くんが、教室からこっちを覗いて吹き出した。
「っ!!」
私が目を見開き驚いていると、玲央くんは肩を震わせながら笑っていた。
「お前、朝から面白すぎ」
「み、見てないよね!?」
「何をー?」
「ううん、見てないならいいのっ!」
「ふーん?」
玲央くんは意味深に笑い、教室に入って行った。
もしかして……見られてた!?
私は周囲をキョロキョロ見回しながら、本を慌ててカバンへ突っ込む。
そんな私の行動を、美月が横目で見て笑った。
「そんな慌てなくても誰も見てないって〜」
「そういう問題じゃないのっ!」
「一華ってほんと隠れ腐女子極めてるよね」
美月が、呆れたように肩をすくめる。



