「今日ね、玲央に忘れ物届けに来たの」
そう言って、莉子ちゃんが小さな紙袋を持ち上げる。
玲央くんに……か。
「来週ここの学校で撮影もあるし、ちょっと見てみたくて」
「あ、そうなんですね!是非見学してってください!」
「ありがとうっ」
莉子ちゃんは気さくに笑う。
綺麗なのに、意外と話しやすい……。
でも。
「玲央、ちゃんと学校来てる?」
そう自然に名前を呼ぶ声に、胸の奥が少しだけざわついた。
「来てますよ、たまにお仕事で休んだりもしてますが……」
「そう、これからもっと忙しくなると思うから、ゆっくりできるのは今のうちだけよね」
「そうなんですか?」
「うん。玲央はもっと上を目指せる人だから……」
その時、一気に周囲がざわついた。
「莉子……?」
聞き慣れた声が聞こえて振り向くと、そこには校門へ向かって歩いてくる玲央くんの姿があった。
「橘くん来た!」
「やばっ今日も顔面つよ……」
「莉子ちゃんと並ぶとすごいオーラ……!」



