ゆずくんがにやにやしている。
なんだろう。
二人とも普通に話してるだけなのに、なぜか火花が見える気がする。
すると玲央くんが、私を見た。
「……ほら、一華」
「へ?」
「次授業始まる」
「あっ」
そうだった!
私は慌てて時計を見る。
「ほんとだ!急がなきゃ!」
「またね!いっちゃん」
ゆずくんがひらひら手を振る。
私も手を振り返した瞬間、玲央くんに手首を掴まれる。
「ふぇ!?」
驚いて変な声が出た。
手、手、手首ーーーーー!
「おせぇし!早く行くぞ」
「は、はいっ」
私の足が遅いから引っ張ってくれるんだろうけど……
廊下でこれは目立つ!
他のクラスの子たちが、私たちを見てざわついちゃってるもん!
「玲央くん、手を……」
「別にいいだろ」
玲央くんが振り返らずにそう言う。
胸がやけにうるさく鳴り響く。
玲央くんと話してる時も。
ゆずくんといる時も。
最近、なんだか調子が狂う。
――これじゃまるで。
そこまで考えて、私はぶんぶん首を振った。
「ないないない!!」
廊下にいた何人かが、びっくりしたようにこちらを見る。
私は顔を真っ赤にしながら、玲央くんと共に教室へ向かった。



