尊い推し兄弟に愛されてます!?

そう言いながら、ゆずくんがひょいっと私の肩へ腕を乗せてきた。

「っ!?」

近い近い近い!!

私は一瞬で固まる。

でもゆずくんは全然気にしていない。

しかし、空気が一気に冷えた気がした。

「……柚希」

玲央くんの低い声が聞こえて……

ゆずくんが「んー?」と振り向く。

すると玲央くんは、私の肩に置かれたゆずくんの腕を見ながら言った。


「距離近すぎ」

「え?」

「一華困ってんだろ」

「えっ!?困って――」


いない、とは言い切れない距離感だった。


「いっちゃん昔からこういうの平気じゃん」

「小学生の頃の話な」


玲央くんがぴしゃりと言う。

な、なんか空気が……。

「それにお前は1年なんだから、修旅の話は関係ねぇだろ」

「あるある!いっちゃんスイーツ好きだからおすすめのお店教えたくて!」


そう言ってスマホの画面を見せてくる。


「それくらい、俺も知ってるし」


それを見て、ゆずくんが、面白そうに笑った。


「兄ちゃんさぁ」

「……何」

「なんか今日、機嫌悪くない?」


その瞬間、ぴたり、と空気が止まる。

私は思わず玲央くんを見た。

玲央くんは数秒黙ったあと、はぁ……とため息をついて冷めた顔つきになる。


「別に」

「ふーん?」