そこには、笑顔で肩を寄せ合う橘兄弟が載っていた。
「尊い〜〜!!」
私とひまりが叫ぶと、
「あーもうっ朝からうるさい!」
と美月も負けずに叫んだ。
私とひまりは昔から〝尊いもの〟に弱く、思考回路もほぼ同じだ。
でも美月はそんな私たちを呆れながらも、いつも付き合ってくれる。
そんな二人にしか、自分の本性は見せていない。
なぜなら私は……
この学校の生徒会長だから。
校門を抜けると、すぐに周囲から声が飛んできた。
「おはようございます、村瀬先輩!」
「今日も綺麗……」
「生徒会長って朝からオーラすごいよね」
私は慣れたように微笑みながら会釈する。
「おはようございます」
これも、生徒会長としての日常。
騒がず、落ち着いて、誰にでも優しく。
――それが、周囲から見た“村瀬一華”だ。
でも。
「……中身が朝から電柱の影で推し兄弟崇めてる腐女子だって知ったら、みんな泡吹いて倒れるだろうね」
隣を歩く美月がぼそっと呟いた。
「ほんとそれな」
ひまりも頷く。



