その時だった。
ガラッ――
「……まだ仕事してんの?」
「ひゃあっ!?」
突然開いた扉に、私は飛び上がった。
勢い余って、机の上のメモ帳とBL本が床へ散らばる。
さ、さ、さ、さ、さ、最悪。
恐る恐る顔を上げると、そこには。
「……何その反応」
呆れたように立っている玲央くんの姿。
黒髪に制服姿。
しかも夕陽のせいで無駄にキラキラして見える。
顔が良い。
いや今それどころじゃない!!
「れ、玲央くん!?な、なんでここに!?」
「通りかかったら電気ついてたから」
玲央くんはそう言いながら、床へ落ちた紙を拾い上げた。
「あっ!!」
終わった。
私の人生、終わった。
「返してくださいっ!!」
慌てて飛びつくけど、ひょいっと避けられる。
背が高いのずるい!!
玲央くんは紙へ視線を落としたまま、肩を震わせた。
「……ぷっ」
「み、見なかったことに……」
「いや無理」
完全に笑ってる。
しかも読んでる。
死ぬ。
「“好きな相手には逃げ場なく迫るタイプ”……?」
「ぎゃああああ!!」
「“独占欲強め”ねぇ……」



