夜の帳が下(お)りてくる。
何の知識も技術もない、素人の修繕作業。
一筋縄では行かないのは分かっていたけど
想像以上に手こずってしまって
作業はあまり進まなかった。
……後は、ペンキとか用意して
塗装した方がいいかな。
賽銭箱もぼろぼろだし
いっそ、新しいのつくろうかな。
必要なのは、木材と釘と…後なんだろう…
家の倉庫から、工具一式は持ってきたものの
それを扱うには
やっぱり、知識と技術が足りなさ過ぎる。
自分の力量不足にため息をついて
さみしげに佇む社を、じっと見つめる。
……約束したからには、ちゃんと直したいし
後で少し調べてみよう。
「…」
上着のポケットから取り出した時計を
確認すれば、時刻は午後十一時過ぎ。
もう夜も遅い。
……帰らなきゃ。
そう思うものの
体はそれを拒否するように
その場から一歩も動かない。
……………帰りたくないな。
……今日は二人とも家にいる。
今頃、私の事で言い合っているはずだ。
『一体いつまで閉じ籠らせているつもりだ!』
『あの子だって悩んでるのよ』
『お前が甘やかすからこうなったんだろ!!』
『私に任せっぱなしにしたのは、あなたでしょう?』
家の中に響くのは
激しい怒鳴り声。
今にも泣き出しそうな弱々しい声。
扉の隙間から見えたのは
余裕のない表情に、苛立ったような態度。
憔悴した横顔と、疲れたように丸まる小さな背中。
家に閉じ籠もって
外に出ようとしない私(むすめ)の
責任の所在を押しつけ合う両親の姿。
何の知識も技術もない、素人の修繕作業。
一筋縄では行かないのは分かっていたけど
想像以上に手こずってしまって
作業はあまり進まなかった。
……後は、ペンキとか用意して
塗装した方がいいかな。
賽銭箱もぼろぼろだし
いっそ、新しいのつくろうかな。
必要なのは、木材と釘と…後なんだろう…
家の倉庫から、工具一式は持ってきたものの
それを扱うには
やっぱり、知識と技術が足りなさ過ぎる。
自分の力量不足にため息をついて
さみしげに佇む社を、じっと見つめる。
……約束したからには、ちゃんと直したいし
後で少し調べてみよう。
「…」
上着のポケットから取り出した時計を
確認すれば、時刻は午後十一時過ぎ。
もう夜も遅い。
……帰らなきゃ。
そう思うものの
体はそれを拒否するように
その場から一歩も動かない。
……………帰りたくないな。
……今日は二人とも家にいる。
今頃、私の事で言い合っているはずだ。
『一体いつまで閉じ籠らせているつもりだ!』
『あの子だって悩んでるのよ』
『お前が甘やかすからこうなったんだろ!!』
『私に任せっぱなしにしたのは、あなたでしょう?』
家の中に響くのは
激しい怒鳴り声。
今にも泣き出しそうな弱々しい声。
扉の隙間から見えたのは
余裕のない表情に、苛立ったような態度。
憔悴した横顔と、疲れたように丸まる小さな背中。
家に閉じ籠もって
外に出ようとしない私(むすめ)の
責任の所在を押しつけ合う両親の姿。


