真昼の星空

ソファに身を預けていた希が、ふと顔を上げる。

「ところで、まさくんとようちゃんって、大学の時から?」

少し身を乗り出して、楽しそうに続けた。

「どうやって付き合うことになったの?」

その問いに、空気がわずかに揺れる。

広哉がすかさずニヤニヤと笑った。

「もうね、この二人はさ——」

わざと間をとる。

「未だに仲間内で語り継がれてる、世にも恐ろしい話があるんだよ」

グラスをくるくる回しながら、声を落とす。

「“怪談・両片想い”っていう」

雅人がすぐに顔をしかめる。

「語り継がなくていいから」

陽も思わず俯く。

「やめてよ、もう……」

耳まで赤くなっている。

それを見て、希の目がぱっと輝いた。

「え、待って」

身を乗り出す。

「ようちゃんが初めて赤くなったんだけど」

笑いながら、さらに近づく。

「聞きたい、聞きたい!」

陽は困ったように視線を泳がせる。

「長くなるから……もう夜も更けてきたし……」

やんわり逃げようとした、その瞬間。

圭祐があっさりと言った。

「いや、まだ21時半だし」

一拍おいて、部屋に笑いが広がる。

逃げ場は、もうなかった。