「どこから話そうかな…」
視線がテーブルの上をゆっくり動く。
みんなの顔を見る。
「逆に何を聞きたい?」
その瞬間。
ほぼ同時に声が重なる。
広哉がすぐ言う。
「この10年陽がどこで何してたか」
美海も言う。
「雅人さんと再会した時のこと」
圭祐も被せる。
「元彼」
一瞬の沈黙。
そして。
全員笑う。
希が嬉しそうに手を合わせる。
「さて、」
完全に聞く体勢。
「どこから行きましょうか。」
目が完全に輝いている。
陽がその様子を見て少し笑う。
グラスをテーブルに置く。
「じゃあ」
雅人の方を見る。
「まさくんと再会した時の話から?」
雅人が小さく頷く。
部屋の空気がまた静かに変わる。
窓の外の夜景。
遠くの車の音。
全員が陽を見る。
これから語られる話を待つように。
少し遠くを見るような目。
「大阪で出版イベントがあって、」
静かな声。
「私は東京駅から乗って。」
新幹線のホームの光景を思い出すように目を細める。
「品川から隣の席に座ったのがまさくんだったの。」
少し息を吸う。
「それが10年振りの再会。」
テーブルの上の空気が止まる。
美海が小さく呟く。
「そんなことって…」
雅人が続ける。
「俺は旬が紹介してくれた方が」
「大阪で新しくオープンするレストランの商談で」
旬が補足する。
「その方Nocturneのお客さんで」
雅人を見る。
「雅人のワイン凄い気に入ってていつも飲みに来るってマスターから聞いてて、」
テーブルの上のワインボトルを指す。
「自分の店にも置けないかって相談されたって」
雅人が頷く。
「ずっと探してたから」
少し言葉がゆっくりになる。
「ほんとにびっくりして。」
陽も小さく頷く。
あの時の車内の静かな空気。
流れていく景色。
名前を呼ばれた時の驚き。
思い出すように。
二人とも少しだけ黙る。
部屋の中では誰も言葉を挟まない。
ただその偶然の重さを。
静かに聞いていた。
陽が少しだけ肩の力を抜く。
「書類に目通してたら」
新幹線の静かな車内を思い出すように。
「ようちゃん?って呼ばれて。」
少し目を細める。
「え?って顔上げたらまさくんで。」
小さく笑う。
「それからはもう質問攻め。」
指を折るように言う。
「どこ行くの。」
「なんの仕事してるの。」
「いつ帰るの。」
その時の勢いを思い出して陽は笑う。
柔らかい笑い声。
テーブルの空気も少し軽くなる。
「次の日。」
陽が続ける。
「ご飯食べにいくことになって、その時に付き合ってって言われたの。」
広哉がすぐ言う。
「はえーな」
雅人が苦笑する。
少し照れた顔。
「会えた嬉しさと、」
陽を見る。
「またいなくなったらってゆう焦りで。」
グラスを握る。
「もう絶対捕まえとくと思って」
陽が静かに頷く。
「好きになるのも怖かったし、」
視線を落とす。
「好きになられるのも怖かったから、」
少し息を吐く。
「わざと10年の間にした恋愛の話、した、」
テーブルの上の照明が静かに揺れる。
誰もすぐには言葉を出さない。
その10年の重さが。
静かにそこに置かれていた。
視線がテーブルの上をゆっくり動く。
みんなの顔を見る。
「逆に何を聞きたい?」
その瞬間。
ほぼ同時に声が重なる。
広哉がすぐ言う。
「この10年陽がどこで何してたか」
美海も言う。
「雅人さんと再会した時のこと」
圭祐も被せる。
「元彼」
一瞬の沈黙。
そして。
全員笑う。
希が嬉しそうに手を合わせる。
「さて、」
完全に聞く体勢。
「どこから行きましょうか。」
目が完全に輝いている。
陽がその様子を見て少し笑う。
グラスをテーブルに置く。
「じゃあ」
雅人の方を見る。
「まさくんと再会した時の話から?」
雅人が小さく頷く。
部屋の空気がまた静かに変わる。
窓の外の夜景。
遠くの車の音。
全員が陽を見る。
これから語られる話を待つように。
少し遠くを見るような目。
「大阪で出版イベントがあって、」
静かな声。
「私は東京駅から乗って。」
新幹線のホームの光景を思い出すように目を細める。
「品川から隣の席に座ったのがまさくんだったの。」
少し息を吸う。
「それが10年振りの再会。」
テーブルの上の空気が止まる。
美海が小さく呟く。
「そんなことって…」
雅人が続ける。
「俺は旬が紹介してくれた方が」
「大阪で新しくオープンするレストランの商談で」
旬が補足する。
「その方Nocturneのお客さんで」
雅人を見る。
「雅人のワイン凄い気に入ってていつも飲みに来るってマスターから聞いてて、」
テーブルの上のワインボトルを指す。
「自分の店にも置けないかって相談されたって」
雅人が頷く。
「ずっと探してたから」
少し言葉がゆっくりになる。
「ほんとにびっくりして。」
陽も小さく頷く。
あの時の車内の静かな空気。
流れていく景色。
名前を呼ばれた時の驚き。
思い出すように。
二人とも少しだけ黙る。
部屋の中では誰も言葉を挟まない。
ただその偶然の重さを。
静かに聞いていた。
陽が少しだけ肩の力を抜く。
「書類に目通してたら」
新幹線の静かな車内を思い出すように。
「ようちゃん?って呼ばれて。」
少し目を細める。
「え?って顔上げたらまさくんで。」
小さく笑う。
「それからはもう質問攻め。」
指を折るように言う。
「どこ行くの。」
「なんの仕事してるの。」
「いつ帰るの。」
その時の勢いを思い出して陽は笑う。
柔らかい笑い声。
テーブルの空気も少し軽くなる。
「次の日。」
陽が続ける。
「ご飯食べにいくことになって、その時に付き合ってって言われたの。」
広哉がすぐ言う。
「はえーな」
雅人が苦笑する。
少し照れた顔。
「会えた嬉しさと、」
陽を見る。
「またいなくなったらってゆう焦りで。」
グラスを握る。
「もう絶対捕まえとくと思って」
陽が静かに頷く。
「好きになるのも怖かったし、」
視線を落とす。
「好きになられるのも怖かったから、」
少し息を吐く。
「わざと10年の間にした恋愛の話、した、」
テーブルの上の照明が静かに揺れる。
誰もすぐには言葉を出さない。
その10年の重さが。
静かにそこに置かれていた。

