真昼の星空

でも。また会えた。
それだけでいいと思えた。

「ようちゃん。」

雅人が言う。

「これからうち来ない?」

陽が吹き出す。

「だからなんでそうなるの?」

直球すぎて笑いが止まらない。

雅人は真剣だった。

「やっと会えたから。まだ一緒にいたい。
正直さ。元カレの話聞いて。」

苦笑する。

「今俺の中、嫉妬の嵐。」

陽がまた笑う。

「絶対負けない。」

陽が首を振る。

「勝ち負けじゃないし。」

少し真面目な顔になる。

「私のこと大好きって言ってくれて。
毎日抱きしめてくれた人のおかげで。」

雅人の顔が少し曇る。

「まさくんに会いたくて毎日泣いてたとこから立ち直れたの。」

静かな声。

「だから、どんなことがあったとしても
私は感謝してる。」

雅人は何も言えない。

陽はちゃんと過去を否定しない人だった。

「俺だって。」

少し低い声。

「ずっと後悔してた。」

陽が見る。

「なんでもっと強引に連れていかなかったんだろうとか。夢なんか諦めて。ずっとようちゃんの傍いればよかったとか。あのまま会社辞めないでいれば今頃ようちゃんと結婚出来てたのかなとか。」

本音だった。

「海外行っても。連絡取れるって思ってた。」

苦笑する。

「心のどっかで。ようちゃん待っててくれる気がして。」

小さく息を吐く。

「甘えてた。子供すぎた。」

「うん。わかった。でもとりあえず今日は帰る。」

陽が言う。

「スーツケースもあるし。」

現実的な理由。でも、逃げでもある。

雅人が笑う。

「ちょうどお泊まりセットあるなら。うち来ればいいのに。」

いたずらっぽい顔。

陽が吹き出す。

「やばい。言いくるめられそうになった。」

二人で笑う。この空気。昔と同じ。

でも違う。

10年会えなかった分優しくなってる。