新刊の打ち合わせの為に出版社に来た。
ロビーを歩いていると不意に名前を呼ばれた。
「陽!」
振り向く。
智也。
「彼氏出来たの?」
少し笑いながら。
「朝早くおてて繋いで。」
嫉妬まじり。
陽表情変わる。
「関係ないでしょ。」
智也少しムッとする。
「いやさ。」
「別れてすぐ次出来るなんて。」
「もしかしていい人いたの?」
智也は続ける。
「別れる時もあっさりだったし。」
その一言で陽の空気が変わる。
「そんなわけないでしょ?」
真っ直ぐ見る。
「そっちが振ったんでしょ。」
智也黙る。
陽続ける。
「いい加減にしてくれる?」
少し怒ってる。
「そっちこそどうなってるの?」
「好きな人とは。」
智也目を逸らす。
図星。
陽心の中で思う。
(…上手くいってないんだろうな)
智也小さく言う。
「…いや…」
陽少し驚く。
智也続ける。
「でもさ。」
陽見る。
「あんな顔するなら。」
「もう少し待てばよかったかなって思った。」
陽一瞬言葉失う。
でもすぐ言う。
「勝手なこと言わないでよ。」
静かに。
「私もう前向いてるから。」
智也何も言えない。
陽最後に言う。
「仕事の話あるなら聞く。」
「ないなら戻るね。」
完全に線引き。
21時少し前。
インターフォンが鳴る。
ドアを開ける。
スーツ姿の雅人。
そして足元には大きなスーツケース。
「遅くなってごめんね。」
陽吹き出す。
「ねえまさくんほんとにスーツケース」
陽はクスクス笑う。
雅人少し得意げ。
「ワインもいっぱい持ってきたよ!」
少し無邪気。
「全部置いていくから帰りはこのスーツケースからっぽだから。」
陽は笑う。
「まさくんの荷物の場所作らなきゃ。」
雅人普通に言う。
「また来るから。」
陽一瞬止まる。
その一言が嬉しくて。
何も言わず抱きつく。
「まさくんお疲れ様。」
雅人すぐ抱きしめ返す。
「ただいま。」
陽少し驚く。
雅人言い直す。
「…って言っていい?」
陽優しく笑う。
「いいよ。」
小さく。
「おかえり。」
雅人少し黙る。
かなり嬉しい。
「10年ぶりに言われた。」
陽笑う。
「大げさ。」
雅人首振る。
「大げさじゃない。」
静かに言う。
「帰る場所欲しかった。」
陽背中を撫でる。
「ここでよければどうぞ。」
雅人小さく言う。
「ここがいい。」
テーブルには和食が並ぶ。
煮物。
焼き魚。
出汁の香りがする味噌汁。
小鉢がいくつも並んでいる。
雅人立ったまま見ている。
「ようちゃん凄い。」
少し本気で感動してる。
「こんなに…」
陽少し照れる。
「初めてだからね。」
「それにイタリアンは勝てそうもないから和食にしてみた。」
雅人すぐ言う。
「勝ち負けじゃないよ。」
陽笑う。
「明日からはこんなに豪華じゃないよ!」
雅人嬉しそう。
「全然いい。」
陽少し驚く。
雅人続ける。
「2人で食べられたらそれでいい。」
静かに。
「帰ってきた感じする。」
陽少し胸が熱くなる。
「ワイン赤と白どっちにする?」
雅人少し考える。
「白。」
「今日はようちゃんのご飯味わいたい。」
陽笑う。
「昨日の続きだね。」
グラスに注ぐ。
雅人テーブルを見ながら小さく言う。
「10年前もこうなってた可能性あったんだよな。」
陽すぐ答える。
「でも今なった。」
雅人見る。
陽微笑む。
「今が一番いいタイミングだったんだよ。」
雅人静かに頷く。
「うん。」
乾杯する。
グラスが小さく鳴る。
今度は失わない時間が始まる。
ロビーを歩いていると不意に名前を呼ばれた。
「陽!」
振り向く。
智也。
「彼氏出来たの?」
少し笑いながら。
「朝早くおてて繋いで。」
嫉妬まじり。
陽表情変わる。
「関係ないでしょ。」
智也少しムッとする。
「いやさ。」
「別れてすぐ次出来るなんて。」
「もしかしていい人いたの?」
智也は続ける。
「別れる時もあっさりだったし。」
その一言で陽の空気が変わる。
「そんなわけないでしょ?」
真っ直ぐ見る。
「そっちが振ったんでしょ。」
智也黙る。
陽続ける。
「いい加減にしてくれる?」
少し怒ってる。
「そっちこそどうなってるの?」
「好きな人とは。」
智也目を逸らす。
図星。
陽心の中で思う。
(…上手くいってないんだろうな)
智也小さく言う。
「…いや…」
陽少し驚く。
智也続ける。
「でもさ。」
陽見る。
「あんな顔するなら。」
「もう少し待てばよかったかなって思った。」
陽一瞬言葉失う。
でもすぐ言う。
「勝手なこと言わないでよ。」
静かに。
「私もう前向いてるから。」
智也何も言えない。
陽最後に言う。
「仕事の話あるなら聞く。」
「ないなら戻るね。」
完全に線引き。
21時少し前。
インターフォンが鳴る。
ドアを開ける。
スーツ姿の雅人。
そして足元には大きなスーツケース。
「遅くなってごめんね。」
陽吹き出す。
「ねえまさくんほんとにスーツケース」
陽はクスクス笑う。
雅人少し得意げ。
「ワインもいっぱい持ってきたよ!」
少し無邪気。
「全部置いていくから帰りはこのスーツケースからっぽだから。」
陽は笑う。
「まさくんの荷物の場所作らなきゃ。」
雅人普通に言う。
「また来るから。」
陽一瞬止まる。
その一言が嬉しくて。
何も言わず抱きつく。
「まさくんお疲れ様。」
雅人すぐ抱きしめ返す。
「ただいま。」
陽少し驚く。
雅人言い直す。
「…って言っていい?」
陽優しく笑う。
「いいよ。」
小さく。
「おかえり。」
雅人少し黙る。
かなり嬉しい。
「10年ぶりに言われた。」
陽笑う。
「大げさ。」
雅人首振る。
「大げさじゃない。」
静かに言う。
「帰る場所欲しかった。」
陽背中を撫でる。
「ここでよければどうぞ。」
雅人小さく言う。
「ここがいい。」
テーブルには和食が並ぶ。
煮物。
焼き魚。
出汁の香りがする味噌汁。
小鉢がいくつも並んでいる。
雅人立ったまま見ている。
「ようちゃん凄い。」
少し本気で感動してる。
「こんなに…」
陽少し照れる。
「初めてだからね。」
「それにイタリアンは勝てそうもないから和食にしてみた。」
雅人すぐ言う。
「勝ち負けじゃないよ。」
陽笑う。
「明日からはこんなに豪華じゃないよ!」
雅人嬉しそう。
「全然いい。」
陽少し驚く。
雅人続ける。
「2人で食べられたらそれでいい。」
静かに。
「帰ってきた感じする。」
陽少し胸が熱くなる。
「ワイン赤と白どっちにする?」
雅人少し考える。
「白。」
「今日はようちゃんのご飯味わいたい。」
陽笑う。
「昨日の続きだね。」
グラスに注ぐ。
雅人テーブルを見ながら小さく言う。
「10年前もこうなってた可能性あったんだよな。」
陽すぐ答える。
「でも今なった。」
雅人見る。
陽微笑む。
「今が一番いいタイミングだったんだよ。」
雅人静かに頷く。
「うん。」
乾杯する。
グラスが小さく鳴る。
今度は失わない時間が始まる。

