「やっぱり雷が先頭に立つと、みんなの勢いが良いよな」
「あいつは上手いだけじゃなくて。チーム全体の士気を高められるし、リーダーシップもある。次の部長は雷に決まりだな」
雷くん、先輩方からも信頼されているんだな。
力強く体を動かし続けながらも、時々笑みを浮かべる雷くん。気づけば、私の顔にも笑みが浮かんでいた。
なんだろう。雷くんが楽しそうにダンスしてると、私も楽しい。それはきっと、雷くんが心からダンスを楽しんでいるからなんだろうなぁ……。
ダンスが終わると、雷くんは私達の元へやって来た。
「どうだった?」
「すごいです。あの独特の動きはなんて言うんですか?」
「ポッピングのこと?」
そう言い、雷くんは体全体を使って、さっきのように弾くように体を動かす。
「ヒップホップの動きに、このポッピングを入れてリズミカルに踊るのが俺のスタイル」
「同じダンスでも、そのポッピングがあるだけで全く違いますね」
「だろ? これが俺の武器だから」
言いながら、雷くんは得意げに笑う。その笑みに、心臓が飛び跳ねる。
雷くんって、こんな風に笑うんだ……。クールでカッコいい雷くんからは想像もつかない、無邪気な笑み。
「よかったら、踊っていかない?」
「いえ、私は見てるだけで十分です」
嬉しい誘いだけど、私にはハードルが高い。
近くで楽しげに踊るダンス部のみんなを一瞥する。みんな、体を自由自在に動かしている。レベルが高すぎて、素人の私なんかが踊ったら、浮きまくりだろうし……。何より、運動音痴なところを雷くんに見られたくない……私の頭には、体育や運動会での数々の失態が頭に浮かび、一人苦笑いをする。
「大丈夫、みんな良い奴だよ」
そんな私の心情を察してか、雷くんは明るくそう言う。
