雷鳴に花が咲く

会場内に入ろうと階段を上がっていると、上から丸い何かが落ちてくる。


バスケットボール??


私は落ちてきたバスケットボールを両手でキャッチした。



「ごめん! それ俺の!」



声が聞こえ上を向くと、カラフルなTシャツを着た、やんちゃそうな男の子が、焦ったように階段から下りて来た。


わぁ……かっこいい人。


整った顔立ちの男の子に、思わずドキッとしてしまう。数段上で止まった男の子に、私はボールを渡す。男の子は心配そうに私を見てくる。



「当たったりしなかった?」
「大丈夫です」



私はドキドキしながらなんとか答える。男の子は安堵した顔をする。



「よかった。じゃあ、これで」
「あ、あの……!」



立ち去ろうとする男の子を引き止めながら、私はバッグからチケット取り出し男の子に見せる。



「ここに行きたいんですけど、場所が分からなくて……」



男の子は隣まで下りてきて、チケットを覗き込むようにして見る。距離が近くなりさらにドキッとする。


「あー、観客席ね。一緒に探すよ」
「ありがとうございます!」