雷鳴に花が咲く


「あれ、今朝の子じゃん」



庭を横切ろうとしていた黒髪の男の子が、私たちの元へやって来る。

あっ……雷くんのお友達の怜夜くん。



「今朝はどうも。俺は池上怜夜って言います。えっと……」
「あっ……中島花音です」



私がそう言うと、怜夜くんはニコッと微笑んだ。



「花音ちゃんか、隣はお友達かな?」



そう言い、怜夜くんは夏実ちゃんに目を向ける。



「河合夏美です」
「夏美ね、二人とも可愛い名前だね」



さらりと怜夜くんに褒められ、私は恥ずかしくなり俯く。一方の夏美ちゃんは「どうもー」と笑顔で返す。さすがは夏美ちゃん。私と違ってモテる夏美ちゃんは、このくらいの褒め言葉は言われ慣れているみたい。それに、怜夜くんもなんだか、言い慣れているように思える……。



「あ、雷ー」



その名前に、心臓がドキッと飛び跳ねる。バスケットボールを片手に、雷くんが現れた。



「お前がスケボーで轢きそうになった花音ちゃん」



言いながら、怜夜くんは私を指差す。



「轢きそうってな……」



苦い顔をしながら、雷くんがこちらにやって来る。



「やばっ、花音、雷くんだよ……!」



私の肩を叩きながら、声を顰めて夏美ちゃんは言う。