「花音がお店を手伝い始めたのも、あの頃からだもんね」
「うん、小さなことでもいいから、まずは自分にできることをしようと思って」
学校が終わると、お店の手伝いをするのが私の日課。お花を通して、人に幸せを届ける。それはきっと、いつか多くの人の心を動かせるようになるはず。技術もまだまだで、お母さんとお父さんのように上手くはできないけど、毎日頑張っている。
「お店って?」
「私の家、お花屋さんなの」
「そうなの??すっごい素敵だね」
「ありがとう」
そこで教室の扉が開いて、担任の先生が入ってくる。桃ちゃんが席に戻っていく中、夏美ちゃんは私をじっと見てニヤニヤする。
「どうしたの?」
「んー? なんか運命って感じだなって思ってさ、雷くんとの再会が」
運命。夏美ちゃんのその言葉に、私はドキッとする。笑みを浮かべ、顔の横で両手でハートマークを作る夏美ちゃん。私は恥ずかしくて頬を赤くする。
「そ、そんなんじゃないよ。雷くんはただの憧れの人であって……」
そうだよ。雷くんは好きな人とかではない。私が男子に不慣れで恋愛未経験だからって、夏美ちゃんはすぐに私と誰かを恋仲にしようとするんだから。
「ふーん、そうなんだ」
私が否定するも、頬杖をついて私を見る夏美ちゃんは、やっぱりニヤリ顔をやめてくれなかった。
