雷鳴に花が咲く



あれは、ある熱い夏の日だった。
それは雷鳴と呼ぶに相応しく、私の心に衝撃を残した出来事だった。


夏美ちゃん、電話繋がらないな……。


真夏の太陽が顔を出す中、私はスマホを片手に、親友の夏美ちゃんを探して、辺りをキョロキョロ見回していた。お父さんからチケットをもらったから一緒に行こう。そう夏美ちゃんに誘われて、ダンス日本一を決める大会を見にきたわけなのだけど……。場所が分からず彷徨うこと、かれこれ三十分は経過している。


これ以上ここにいたら熱中症になっちゃう。……仕方ない。夏美ちゃん探しは諦めて、自力で席まで行こう。


とは言っても、会場内は広すぎて、どう行けばいいのやら。周囲には大会に参加するダンサーが大勢いる。私はダンサー達に視線を向ける。どのダンサーもみんなキラキラしていて、宝石のように眩しい。


ここにいるみんなが、この大会で優勝することを夢見ているんだ。なんか羨ましいな……。私には、そういうのないから。


中島花音、十五歳。将来の夢どころか、やりたいことすら見つかっていない。こんな自分でも、いつかこれだと思う何かに出会えるのだろうか。